宮城県立3病院を独法化 医療安定供給へ柔軟性

 累積赤字が深刻な宮城県立3病院について、県は9日、2011年4月に一括して地方独立行政法人化する方針を決めた。6月補正予算案に、独法化に向けた事務作業の準備費1050万円を盛り込んだ。

 独法化の対象は循環器・呼吸器病センター(栗原市)、精神医療センター、がんセンター(ともに名取市)。児童福祉施設の機能を持つ拓桃医療療育センター(仙台市太白区)は含まない。

 県病院局を中心に10年度末まで、法人組織の整備と独立行政法人の会計基準に合わせた電算システムを導入する。医療サービスの内容や経営方針を盛り込んだ中期計画も策定する。

 3病院の累積赤字は、07年度決算で計27億円。深刻な医師、看護師不足や診療報酬の引き下げの影響で、いずれも運営環境は厳しい。

 独立行政法人になると、知事が理事長を任命し理事会が経営する。職員採用や給与の設定を独自にできるため、県立病院に比べて社会変化に対応できる利点がある。施設、医療機器などの財産は県から法人に移る。

 県は06年4月に県立こども病院(仙台市青葉区)を独法化。県の有識者会議は08年3月、3病院の運営体について「独立行政法人が最も望ましい」とする最終報告をまとめていた。

 村井嘉浩知事は「県民に必要な医療を安定的に提供するため、職員人事で柔軟性が高い地方独立行政法人化を目指すことにした」と話している。


2009年06月10日水曜日

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