「拡大防止に万全期す」県・市 盛岡で新型インフル感染
盛岡市で9日夜、東北で初めて新型インフルエンザの感染者1人が確認された。千葉県船橋市の中学校の生徒らが修学旅行で岩手県を訪れた際、感染したとみられる。岩手県と盛岡市は急きょ、それぞれ対策本部会議を開き、情報の収集など対応に追われた。
感染したのは、盛岡市の飲食店店員の女性(36)。県などによると、修学旅行生は農家宿泊で3日から花巻市に滞在。生徒らが盛岡市で5日に昼食を取った際、店員女性へ感染した可能性があるという。
修学旅行の一団は約260人。9日現在、うち生徒8人の感染が確認されており、学校側と接触した可能性のある人は「県内で400人以上に上る」(県保健衛生課)という。県は、農家宿泊で受け入れた家族や飲食店従業員、貸し切りバスの運転手らへの聞き取り調査を進めている。
感染した女性が勤める飲食店の従業員は全14人。ほかに感染者はいないという。
県の対策本部は午後10時から県庁3階で始まった。東京出張中で不在の達増拓也知事に代わり、宮館寿喜副知事が「感染の拡大防止に万全を期したい」と強調した。
会議終了後、県と盛岡市は合同で記者会見し、「感染した女性の行動範囲から拡大の恐れは少ない」として、学校や幼稚園などの休校措置、要請は行わない考えを示した。
公共施設やイベントなど不特定多数の人が集まる場所での活動についても、県は「休止や自粛は行わない。体調不良や発熱症状のある人には参加や観戦を遠慮するよう呼び掛ける」と述べた。
2009年06月10日水曜日
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