熊本市との合併の是非を問う熊本県益城町の住民投票が12日、投開票され、反対票(1万2205票)が、賛成票(7905票)を上回った。益城町民が熊本市との合併に「ノー」を突き付けたのは2003年8月に次いで2回目。合併反対が多数を占めたことで、同町との合併により、九州3番目の政令指定都市への昇格を目指す熊本市の構想は予断を許さない状況となった。
今回の住民投票は、反対派住民による直接請求を受けて実施された。投票率は76.98%。当日有権者数は2万6295人(町選管調べ)。
益城町は、熊本市と法定合併協議会(法定協)を設置し、合併協議中。同町は協議終了後の夏にも同市との合併の是非を問う3回目の住民投票を予定しており、推進派の住永幸三郎町長は予定通り実施する構え。これに対し、反対派住民は「民意は示された」として法定協の即時中止を13日、町に申し入れる。反対派は、住永町長が3回目の住民投票を実施すれば、町長の解職請求(リコール)に踏み切る動きを見せている。
合併特例法に基づき、政令市昇格には人口70万人が条件。人口67万9741人(3月1日現在)の熊本市は益城町のほか、同県城南、植木の周辺両町とそれぞれ法定協を設置している。ただ、同法の期限が2010年3月に迫っており、政令市昇格に向けて熊本市に残された時間は少ない。
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●予想外で残念
▼幸山政史・熊本市長の話 手応えは感じていたが、予想外の結果で残念。われわれの力不足。今後については益城町と協議していくが、基本的な合併・政令市に向けての熊本市の戦略が変わるものではない。
=2009/04/13付 西日本新聞夕刊=