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米女性記者拘束:ゴア氏、北朝鮮特使となるか(下)

早ければ今週末にも訪朝

 北朝鮮が核実験を行った直後の先月26日、米国にいる女性記者の家族と電話による通話を許可した事実も注目に値する。これについては「米国に対する態度が軟化したとも受け取れる行為だ」と韓国の外交筋は語っている。また北朝鮮は、平壌駐在のスウェーデン大使館関係者と女性記者との面会を3回も許可した。これは、この日の時点で抑留から67日目となる現代峨山社員のユ某さん(44)の顔を一度も見ることができない点と比べると、非常に大きな違いのある「寛大な」措置だ。

 現在、米朝の間では平壌駐在のスウェーデン大使館や「ニューヨーク・チャンネル」などを通じて問題の解決に向けた意見の調整が行われており、すでに大きな方向性は定まりつつあるという見方が有力だ。しかし韓国の外交筋は「最近米国による北朝鮮への金融制裁に関する話が報じられている。そのため、もしかすると北朝鮮の気が変わる可能性も排除はできない」と述べた。有力な政府筋も「米国はゴア元副大統領の北朝鮮訪問を提案したが、最終的に北朝鮮がこれを受け入れたという事実はないはずだ」と明らかにした。女性記者に対する裁判の結果が思わしくないものだったとしても、米国が政府の高いレベルで対話の意向があることを北朝鮮に対して伝えるために、ゴア元副大統領が北朝鮮を訪問することは考えられる。1994年に北朝鮮領空で撃墜されて捕らえられた在韓米軍ヘリ操縦士のホール准尉や、96年に鴨緑江を渡って北朝鮮に入った韓国系米国人のハンジカー氏は、どちらも当時下院議員だったリチャードソン氏が北朝鮮から連れて帰ってきた。

 今回ゴア元副大統領の北朝鮮訪問が実現した場合、核実験や大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射の動きなどで悪化するばかりだった米朝関係にとって、大きなプラス材料となりそうだ。94年の第1次核危機で韓半島(朝鮮半島)に戦雲が立ちこめた際、カーター元大統領が北朝鮮を訪問して金日成(キム・イルソン)主席に会い、南北首脳会談の仲介をするなど、事態を打開するきっかけを作ったこともある。2000年10月には当時のオルブライト国務長官が北朝鮮を訪問し、クリントン大統領の北朝鮮訪問までも合意していた。そのため今回もゴア元副大統領が金総書記に会う可能性もささやかれている。韓国政府筋は「ゴア元副大統領が北朝鮮を訪問するなら、現地でユさん問題解決に向けて協力を要請してもらうしかない」と発言している。

 この日で逮捕から80日目となる女性記者二人は、今年3月17日に中朝国境地帯で脱北女性の人権問題について取材していた際、北朝鮮兵士に捕らえられた。二人の容疑は「不法入国」と「北朝鮮に対する敵対行為」などだ。

安勇炫(アン・ヨンヒョン)記者

任敏赫(イム・ミンヒョク)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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