教員採用から1年間の試用期間中に、「指導力不足」などを理由に分限免職処分とされたのは不当として、京都市の元小学校教諭の男性(36)が、市に処分の取り消しを求めた訴訟の控訴審判決が4日、大阪高裁であった。赤西芳文裁判長は、処分を取り消した昨年2月の一審・京都地裁判決を支持し、市側の控訴を棄却した。
高裁判決によると、元教諭は04年4月に採用され、市立小学校で5年生のクラスを担任。市教委は翌年3月、児童への指導力が足らず、教員の資質に欠けるとして分限免職処分にした。高裁判決は、このクラスが「学級崩壊」に陥ったと認めたうえで、一審と同様に「元教諭の能力不足が主な原因とは即断できず、学校側の指導や支援態勢も十分ではなかった」と判断。市側の「(元教諭には)不適切な指導が多く、処分は正当だった」とする主張を退けた。
判決後、元教諭は記者会見で市側に上告断念を求め、「早く職場復帰し、再び教壇に立ちたい」と話した。京都市教委は「主張が認められず残念。判決を精査し、対応を検討したい」としている。