羅老宇宙センター、11日ついに竣工式(下)
韓国の科学者の自尊心高まる
◆ロシアから発射台事業への参加提案を受ける
しかし、工事は最初から壁に直面した。ロシアの設計を韓国の製作条件に合わせ、韓国の規格に変更しなければならなかったが、ロシアの専門家はすべてにおいて問題を提起した。通訳も大きな問題だった。少しでも自分たちに不利な言葉を残すまいとするロシアの専門家は、三日間会議をしたら、会議録を書くだけで二日も要するといった態度だった。
実際、設計側と製作側の規格が異なる場合、かなりの試行錯誤を要する。そのためロシアの技術を導入したほかの国々も、最初の発射台はできるだけ多くの部品をロシアから導入して製作した。あるいは最初から韓国の力でやろうという試みが無謀だった、ともいえる。
ロシアの専門家と丸一日顔を付き合わせた後、深夜12時から韓国チームの会議が開かれるといった日々が続いた。ロシアの専門家は、日が沈めば仕事をやめ、気の向くままに休暇を取り、イライラしたときは焼酎やウオッカで気を紛らわせ、助けてほしいと言った。だが、そのうちにロシアの専門家も少しずつ心を開き、「部品をこれにするなら設計をこう変えろ」「設計がこうなら、これはもっと検査しなければならない」などと助言し始めた。
- 写真提供=韓国航空宇宙研究院
研究チームは、ノートとかばんを担いで韓国内外の部品メーカーを回った。発射台がすべて組み立てられ、ロシア側が検査項目を99項目から358項目に急きょ増やしたときは、全身から力が抜けたという。しかし、ラ・スンホ発射台開発チーム長は「部品の国産化によるミスの可能性を考慮し、むしろ自分たちが学ぶ機会だと考えた」と語った。1秒間に重さ4キロもの空気を噴き出す装置でごく微量の不純物を吹き飛ばすほどの先端技術のため、それだけの価値はあった。
2008年10月、ついに発射台のシステム設置が完了した。わずか19カ月で成し遂げられた成果だった。今年3月にはすべての性能試験も終了した。あらゆる要求項目をクリアし、ロシアの研究者の疑いの視線は今や信頼へと変わった。設計を請け負ったロシア企業KBTMは、「カザフスタンのバイコヌール宇宙基地に新しく発射台を作る計画だが、われわれと共にコンソーシアムを組んで共に参加しよう」と提案してきた。韓国の研究陣をパートナーとして認めたわけだ。
◆誇らしい父親になるために
研究員らは3年間、家を捨てたも同然の状態で仕事に没頭した。ラ・スンホ発射台開発チーム長は、妻が心臓移植の手術を受けて入院していたソウルの病院を後にして、外羅老島へやって来た。イ・ヨンホ研究員は、釜山市内の病院に入院する年老いた母親のもとを、ゆっくり見舞いに行くこともできなかった。チャン・ジョンテ研究員とアン・ジェチョル研究員は、新婚早々プロジェクトに参加し、子どもたちが育っていく様子をそばで見守ることができなかった。
さらにカン・ソンイル、ムン・ギョンロク、キム・デレ、チョン・イルヒョン研究員を加え、8人でスタートした開発チームは、後に若手のナム・ジュンウォン、ヤン・エヨン、ファン・ドグン研究員も合流し11人に増えた。「あそこに見える発射台の一部はお父さんが作ったんだぞ、と子どもに自慢したい」というカン・ソンイル研究員の言葉に、皆がうなずいた。11人の研究者にとって、発射台は韓国の科学の自尊心そのものというわけだ。
イ・ヨンワン記者
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