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羅老宇宙センター、11日ついに竣工式(上)

韓国の科学者の自尊心高まる

 大韓民国の「宇宙開発本部」こと羅老宇宙センターが、今月11日に全羅南道高興郡蓬莱面曳内里1番地の外羅老島で竣工式を行う。中核施設は、天に向かってそびえ立つ発射台。来月には韓国初の宇宙ロケット「羅老(KSLV1)」を宇宙へと打ち上げる、巨大な施設だ。宇宙大国のロシアでも建設には2年を要するとされるこの発射台を、韓国チームはわずか19カ月で作り上げた。宇宙にすべてをかけた11人の科学者が流した汗と涙が成し遂げた成果だ。

◆李舜臣の志に挑戦

 発射台は、海抜390メートルの高さがある外羅老島馬致山の中腹を切り崩して作られた面積4万7353平方メートルの敷地に立っている。ロケット「羅老」を垂直に立てるエレクターや、燃料・酸化剤の貯蔵・供給施設、発射の瞬間までロケットを支えるランチパッドが設置されている。使用された電線の長さだけで140キロになり、大気圧の400倍もの圧力に耐えられる配管がタコ足状に1.5キロ敷いてある。バルブの数だけでも3000余りに達する巨大な設備だ。

 土木工事はだいぶ前に着工していたが、発射台については2007年初めまで手も付けられていなかった。韓国政府は04年にロシア政府と宇宙技術協力協定(IGA)を締結したが、ロシアで宇宙技術流出に関する論議が起こり、実際の技術提供が先延ばしにされていたためだ。

 「当時、打ち上げは08年12月と考えていました。ところが、発射台の設計図が届いたのは07年3月9日でした。打ち上げの日程に合わせるには、遅くても08年8月までには工事を終わらせなければならないのに、残り17カ月しかないというとんでもない状況でした」

 設計を手掛けたロシアの専門家は、「自分たちが直接建てたとしても優に23カ月はかかる」と語った。韓国航空宇宙研究院の閔庚宙(ミン・ギョンジュ)羅老宇宙センター長はその日、A3用紙で2万1631枚にもなる発射台の詳細な設計文書がぎっしりと詰まった21個の箱を見て、ふとあるテレビドラマを思い出したという。

 「李舜臣(イ・スンシン)将軍が、“臣にはまだ12隻の戦艦が残っている”と語った言葉が頭をかすめました。心の中で“わたしにも8人の有能な研究者と17カ月もの時間がある”と叫びました」。閔センター長は「多くの時間と金を費やせば誰でもできることだが、どちらも不足している状態で成功させてこそ、有能な研究者といえるのではないか」と督励したという。

写真提供=韓国航空宇宙研究院

イ・ヨンワン記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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