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脳性まひの原因分析、回避の可能性を記載

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 日本医療機能評価機構の「産科医療補償制度原因分析委員会」は6月9日、第5回会合を開き、仮想事例を基に事務局が作成した原因分析報告書案について検討する模擬部会を前回の会合に引き続き行った。部会では、報告書案で脳性まひの回避の可能性に言及することについて議論が紛糾したものの、表現を検討した上で記載することになった。

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 今回の模擬部会で事務局が示した原因分析報告書案は、「医学的に見て問題がある仮想事例」を基に作成されたもの。同案では、「今後の産科医療向上のために検討すべき事項」の中で、「本事例が、胎児機能不全と診断され、吸引分娩とクリステレル胎児圧出法の併用で児が脳性まひとなったことを考えると、胎児機能不全と診断された午前5時10分、もしくは胎児心拍数の回復が見られなくなった午前5時30分以前に速やかに帝王切開によって児が娩出されていたら、脳性まひは回避出来た可能性があると考えられる」と記載された。

 同案が回避の可能性に言及したことについて、日本産科婦人科学会常務理事の岡井崇委員長は「帝王切開しなかった人に責任があるという責任追及につながる」と難色を示した。これに対して、弁護士の鈴木利廣委員は「あえて脳性まひの回避の可能性に触れないのは、逃げているように思われる」と反発。また、弁護士の宮澤潤委員も、結果が責任につながるかというのは後の問題として、「原因としてどうなのか、防げたと断言できるなら断言すべきだし、それが分からないというなら分からないと、不明であるということを書くべき」と述べた。ただ、「可能性の程度」の記載については、「非常に議論が出るところ」と指摘し、「可能性があったということにとどめるべき」とした。
 また、結果回避の可能性を記載することで、「責任があったのではないか」と一般の人が考えることを懸念して、「表現は非常に注意しなければならない」と強調した。
 こうした委員らの意見を踏まえ、脳性まひの回避の可能性について原因分析報告書案に記載されることになり、その表現方法については検討課題となった。


更新:2009/06/09 22:42   キャリアブレイン

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