そもそもの始まりは猪木のサイン会だった。あのアントニオ猪木が詩集を出したのだ。その名も
「馬鹿になれ」!
そこで一人の男と出会う。彼もプロレスが好きですぐに意気投合,一緒に観戦に行こうと相成った。
― 2週間後の11月19日。僕らは後楽園ホールにいた。
女子プロレス・アルシオンだ。午後6時半,場内が暗転。リングに4人の女の子が上った。
軽快なリズムに乗せて4人がダンスをする。
「いったい誰なんだろう?」 なぜプロレスのリングでダンスをするのか,不思議だった。
しかし次の瞬間,そんな疑問は吹き飛ばされた!
「あの子可愛いなぁ!」
左から二人目の女の子に僕の目はくぎ付けになった。4人の中でもっとも溌剌とし,元気がいい。それに
笑顔が最高だ。時間にして1分少々。ステージが終わり,選手入場式へ。4人はリングの下で
選手が入場するたび拍手をしている。
20人くらいだろうか。たくさんの選手が入場する中,ずっと笑顔を絶やさず,拍手をし続けたのは彼女一人だけだった。
「しっかりしてるなぁ,性格もいい子なんだろうな」 そう感じさせた。
試合が進み,休憩時間。
「アルシオンガールズの紹介です」
リングアナウンサーに紹介され4人が再びリング上へ。一人一人マイクを持ち自己紹介。
彼女の番だ! 耳を凝らす。う〜ん,よく聞き取れない。この後,グッズ売り場で売り子をするという。
ロビーはグッズを買い求める客で大混雑。その中でひときわ大きな声を出す子がいた。あの子だ! 休憩が終わり,客が戻っていく。思い切って話し掛ける。
「名前は何ていうの?」 「上下の下に屋根の屋で下屋則子といいます」
明るい笑顔で答えてくれた。帰り際,一緒に写真を撮ってもらった。
あの子のためなら「馬鹿になれ」るな。
― 12月3日・後楽園ホール。
休憩時間,客の引けた後少し話す。そこで初めて
アルシオンガールズとは代アニの学生であることを知る。何だか不思議な気がした。
後日プロレスショップの店長に聞いてみた。
「学生に度胸つけさせるためにやってるんじゃないの?」
なるほど,そんなところなのかな。
― 12月24日 この日のダンスは驚いた。始めは選手のTシャツを着ていたが,ばっと脱ぎ捨てクリスマスっぽい可愛らしくもセクシーな衣装へ。ダンスもどんどん上手になっている。
休憩後,話しに行くのが恒例化。初めてサインをもらってみる。
「こんな可愛い子が声優になったら応援しちゃうなぁ」てなことを言うと,すごく喜んでくれた。
― 年が明け1月5日。
今日は4人おそろいの白いコート。なかなかシックでいい感じ。
休憩時間,売り子をする4人にサインを求めたり,写真を撮ったり,あげたりする人がいる。誰が人気なのかな,と思ってみていると,やはり
のんちゃんがダントツの一番人気。さすがだなぁ,と思いつつも僕も写真をプレゼントしたりして。
― 1月26日・ディファ有明。この日は大雪。
アルシオンガールズが出るというので,やっとこさ来たものの,いきなりの選手入場式。
どうなってんだー!
休憩時間,アルシオンガールズの一人を発見。聞いてみる。
「のんちゃんは来る予定だったんだけど,雪で来れなくなった」という。
う〜む,そんな田舎に住んでるのか?
― 2月12日・後楽園。
久しぶりの笑顔。バレンタインということで初めてのスカート。いつもはパンツルックだがこれも素敵である。
― 3月20日。
エイリアン9のオーディションに合格したという。念願の「声優への道」が開けてきたようだ。
3月といえば卒業のシーズン。代アニも直に卒業。アルシオンガールズはどうなるのか。
聞いてみると
次回,4月で最終回だという。
― 4月30日。この日は卒業をイメージした純白のドレス。振り付けもいつものボーイッシュな感じから女の子っぽいイメージへ。
休憩時リング上であいさつ。4人に声援が飛ぶ。
涙で声にならないのんちゃん。がんばれ。それぞれの進路も決定し,
活躍が期待される。
最後は真っ白な紙テープがリング上を舞い,感動のフィナーレ。
休憩後,たくさんの人が4人にサインをもらったり,プレゼントをしたり。
なかなか人の波が切れない。
アルシオンガールズ,皆から愛されてたんだなぁと実感。
おつかれさまでした。これからの活躍を期待します。
「声優」下屋則子はここから始まります。