2009年 06月 09日
ブレジンスキーが、燃料投下!あと「まだビッグ・ブラザーが出る幕だ」という件について村上春樹を批判する


アルルの男・ヒロシです。

 オバマが、エジプト・カイロで発言した演説の内容に関連し、論争がわき起こっている。

 この中でオバマは、イランに対して「1953年にアメリカが英国の情報機関の協力を得て、民主的に成立した政権(モザデグ政権)を転覆することに関与したことは間違いであった」とアメリカの政府関係者としては初めて公式に謝罪した。これは大きなニュースであり、オバマがイスラエル・ロビーとのバランスを取った外交政策を進めているとして評価されていた。

 ところが、オバマは、この演説の中で次のように述べているのだ。

I am aware that some question or justify the events of 9/11,” he said, speaking before a red curtain and six pairs of U.S. and Egyptian flags. “But let us be clear: al Qaeda killed nearly 3,000 people on that day.”(2001年9月11日に起きた一連の出来事に対して、疑問を投げかけたり、それを正当化しようとする人たちがいることは私も気が付いている。しかし、私はここではっきりさせよう。アルカイダが、その一日で3000人近くの人間を殺害したのだ。)

 この演説は、世界に向けて発せられている。場所がカイロであるから、中東のアラブ人とイスラエルのユダヤ人、イランのペルシア人に向けられていることはもちろんだが、重要な政策演説として、世界で報道されていくことをオバマは認識しているはずだ。

 その演説で、オバマは「911事件において、政府が何らかの事実を隠蔽することや、事件そのものが過去のアメリカの政策に対する報いとして正当化されるということはあり得ない。これが現政権の方針である」と述べた。これは、アメリカ国内で澎湃としてわき起こっている、「911事件に対する再度の政府公式調査や情報公開請求、アメリカの帝国主義的外交政策に対する反省」を、オバマ政権は拒絶するという声明である。

 これと前後して、ヒラリー・クリントン国務長官は、オバマ大統領を極めて高く評価。「午前3時の電話にも十分対応できる指導者だ」と太鼓判を押した。

 いやはや、オバマはここまでどす黒い政治家だったか。ケネディのように暗殺されることは無いような気もしてきた。ケネディは妙に善人っぽい良心が残っていたから、「用済み」扱いされた。カーターもそうだったし、どうやらニクソンもそうだったらしい。

 さて、この演説にたいして、米MSNBCの番組に出演したズビグニュー・ブレジンスキー(オバマの外交面における指導者)が取り上げた、とアレックス・ジョーンズの「インフォウォーズ」では報じられている。この演説でブレジンスキーは、オバマがイランの政権転覆にアメリカが関与したことに言及し、その上で「911に疑問を呈するなんてとんでもない!」と述べ、オバマの演説のラインを完全になぞっている発言を行ったのである。

 ブレジンスキーは、「最近、数年間でアメリカ人の世界情勢に対する見方が非常におかしな方向にむかっている」とまず、述べ、「アメリカ国外の人々も、同様にアメリカがなにやら良からぬたくらみを行っている(conspirational view of America)と考えるようになっている。アメリカ国内外では、911事件が何らかの自作自演であり、したがって、本当はビンラディンたちの仕業ではないと考えている人もいさえするようだ」として、911事件に対する疑問を投げかけることそのものを批判。その上で、「だから、私は、大統領は、この演説を行うことで、大統領はアメリカが世界と関わる上で障害になってきた、神話そのものを打ち崩すというきわめて重要な一歩を築いたと評価している」と自らの弟子であるオバマを高く評価するとともに、オバマ演説の読み方まで解説したという。


 
 このオバマやブレジンスキーの姿勢は、「一方であることを認め、また一方であることを否定する」という、ジョージ・オーウェルの名作小説「1984」に出てくる、「ダブルスピーク」の一種ではないかと、アレックス・ジョーンズのサイトでは批判されている。

 そう、ビッグ・ブラザーはまだ存在する。村上春樹の駄作小説「1Q84」の中には、「もはやビッグブラザーの出る幕ではない」という暗示めいたせりふがある。しかし、実際には、「ダブルスピーク」はこのように存在する。(なんだ、「「リトル・ピープル」って?)

 なお、余談だが、村上春樹はこの「1Q84」を海外で発表するとき、タイトルをどうするつもりだろう。「1Q84(Qは英語でnineを表す9と同じような発音をする)」とでもするのだろうか。オーウェルの小説のタイトルは、nineteen-eighty-fourであり、イチキューハチヨンではない。日本人だけが「ゼロゼロゼブン」と言っているのと同じくらい恥ずかしい題名である。

 この村上の小説を、タイトルに惹かれて初めて読んだ。予想以上にろくでもない代物だった。そもそも、ヤマギシ会やら小説のゴーストライターなど、いろいろな要素が出てくるが、ストーリーの根幹が存在しない。結局、ふわふわした幻想小説であり、ロリコン小説である。村上の小説を私が読むことは二度と無いであろう。村上はアメリカの結社に入っているという説があると以前聞いたことがある。本当かはどうかわからないが・・・・・。

 あえて、村上の意図を深読みするならば、この「1Q84」は、2009年の今から1984年を眺めたという設定があり、引用した「ビッグ・ブラザーの出る幕ではない」というせりふも、高度にIT化が進んだ現在を予測できなかった1984年の日本人の立場で書いている(つまり、村上自身は、監視社会を間接的に批判している)と読めるかもしれない。しかし、ビッグブラザーに対する概念として出てきた「リトル・ピープル」という概念そのものが意味不明であり、全体として非常につまらない小説になっている。

 話がそれたが、ブレジンスキーはやはりオバマの外交思想を裏から操っている黒幕の一人であることが確認できた。ブレジンスキーは、イスラエルロビーを批判しているが、それは「アメリカ・イギリス>イスラエル他の国々」という構図であり、「中国」ですらもロシアを封じ込めるためのチェスの駒の一つなのであろう。相当にこの男、狂っている。

 村上春樹があまりにつまらないので、最近、私はカズオ・イシグロ(英国在住の日本人作家)を読み始めた。イギリス執事業界の盛衰を描いた、『日の名残り』は意外におもしろいと思う。

Nineteen Eighty-four (Penguin Modern Classics)

George Orwell / Penguin Classics



Brzezinski: A Life on the Grand Chessboard of Power

Patrick Vaughan / Times Books


by japanhandlers2005 | 2009-06-09 09:02 | Trackback(1) | Comments(6)
トラックバックURL : http://amesei.exblog.jp/tb/9836937
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
Tracked from マスコミに載らない海外記事 at 2009-06-09 09:21
タイトル : カイロのオバマ:帝国主義のニューフェース
2009年6月5日 アメリカのバラク・オバマ大統領が、カイロで昨日行った演説は矛盾に満ちていた。彼は「無辜の男性、女性、子供の殺害」には反対すると語ったが、イラ...more
Commented by ふむ・・・ at 2009-06-09 10:18 x
1Q84→1q84
で解決
Commented by はろるど at 2009-06-09 12:45 x
IQの定義がどれ程の能力を示しているのかは知りませんが、誰もが911の当日、WTCの崩壊が工作無しでは有り得ない事に気付いたかどうかの能力にいかさせているかは疑問です。
もちろん、私はあの日崩れた瞬間「有り得ない」と思いました。あれから、8年。奴らは何千人も居る仕事中のビルを制御解体した殺人集団であり、この「殺人」から「逃げている逃亡者」ですから、国際司法裁判を設置する以外に方法はないでしょう。また工作組織の摘発、立件がなぜ進まないのか大きな問題でもあるし、社会の欠陥でもあります。
あのTWC破壊行為がCIA、モサドなくして実行出来ないくらいは、小学生でも分かる筈です。

レバノン議会選で親欧米派が勝利したとあります。オバマの行動とフェイント工作スピーチに影響されたかどうかは分かりませんが、中東で進むCIA、モサドに対する免疫不全は、今後これからこの地域で大きな重病と奈落の底の深さを思いしる事でしょう。そしてまた後々騙されたことに気付くことになるのでしょう。


Commented by kenji at 2009-06-09 15:14 x
亜米利加は中東でアフガニスタンで極東でどのような構想を描いているかを推定する必要がある。案外と気まぐれかもしれない。
いろいろ見ると、当面はパキスタンの核ではないか。
 それにしても、亜米利加は余裕がある。比較相対的に。
中東はエジプトの動乱が多分引き金になるだろうね。
 
Commented by マッドマン at 2009-06-09 15:25 x
「ダブルスピーク」政権オバマの正体が現れてきましたよね。オーウェルの「1984」が理解できない人はあっさりと騙されるでしょう。

暗殺はない、でしょう。過去の大統領と違って、この人には人種の
ルーツとかがないですよね。何人(なにじん)なのかわからない。
だいたい国籍としても、アメリカ人なのかどうかさえ疑わしい。

反抗や暴動や疑惑を抑えて、感謝の気持ちを被支配者に持たせるのが
オーウェルが描く「世界統一政府」ですから、オバマはこれを実現
させる最適の役者として登場しました。

「貧民を救済するため」に、貧民の暴動を鎮圧する動きにこの夏は
でるでしょう。

「米ドルを救済」といいつつ、ドル崩壊をしかけていく。

「CHANGE!」といいつつ、何も本質は変わらない。
Commented by kenji at 2009-06-09 16:04 x
>「ダブルスピーク」政権オバマの正体が現れてきましたよね

これのもとは二重思考のことだが、ここで頓挫している。国内を見ると、ダブルスピークどころか。何がなんだか分からない発言がある。
オバマはそれぞれの言動をコントロールしながら、つまりダブルスピークと知りながら、しているように見えるが、わが国の其れはまたく別なもののような気がする。
 いま少し、読み込まないと無理かなと思っています。

1984年はとにかく必読の書だと私も思う。

用語の言いかえとか。新思考とか、新文法とか。今は一度、新興宗教新聞を読んでみようと思っている。

失礼だが、アルル氏にも二重思考があるように、私には見える。
これは我々日本人の特徴かもしれない。
Commented by いいぱんこ at 2009-06-09 17:26 x
こないだ会社の先輩に連れられて初めて風 俗で抜いてもらったんだけど
やっぱ金払うのもったいねーわ・・そう思わね?
先輩風 俗いっぱい知っててチョー自慢気だったけどさぁ
これ知らねーなんてカワイソすぎ(^^; まぁあえて秘密にしたけどwww

名前 :
URL :
非公開コメント
削除用パスワード設定 :


< 前のページ      次のページ >