1991年12月05日 朝日新聞朝刊 栃木
市民に喜んでもらえる 本部長即賞の寺崎巡査部長 真実ちゃん事件
逮捕につながったことについて、寺崎巡査部長は「ジャンボ宝くじが当たった気分。これまでシートベルトの着用をするように指導をしていても、相手から『真実ちゃん事件が解決していないのに、こんなことをしていていいのか』と言われつらかった。これで、仕事がやりやすくなります」とほっとした表情だった。
1991年12月30日 朝日新聞朝刊 栃木
91えんぴつ この1年 栃木
さらに、裏付け取材を重ねて、翌々日の22日本紙朝刊の社会面トップに、「菅家容疑者2幼女殺害も自供」の見出しの記事が出た。約1000字の原稿の中で、私が貢献できたのはおそらく数文字程度だが、一連の幼女殺害事件早期解決を願う人たちの期待に多少こたえることができたと思っている。
1993年07月08日 朝日新聞朝刊 栃木
「子供持つ親に不安大きく」 足利の幼女殺害に無期懲役判決 /栃木
久保眞人裁判長がDNA鑑定の解釈を延々と説明した。昨年二月以来約一年半に及んだ幼女殺害裁判の判決は、菅家利和被告(四六)を犯人とする客観的証拠としてDNA鑑定を認め、同被告に求刑通り無期懲役を言い渡した。小刻みに指を震わせる菅家被告に同裁判長は、「真実ちゃんのめい福を祈るのに、生涯をささげるのが相当」と述べた。
(中略)
矢野光邦・宇都宮地検次席検事の話 判決文を読んでいないので、細部についてのコメントは差し控えたいが、検察官の主張が全面的に受け入れられた。亡くなった被害者と、その遺族の方々も、この判決で無念さが一部いやされるのではないかと思う。
1994年06月22日 朝日新聞朝刊 栃木
体液鑑定の正当性を県警捜査研技官証言 幼女殺害 足利 /栃木
真実ちゃんの衣服に付着していた体液の鑑定をした県警科学捜査研究所の福島康敏技官に対する証人尋問が行われ、福島技官は一審に続き、鑑定の正当性を証言した。
1996年05月10日 朝日新聞朝刊 1社
DNA型鑑定に信頼性 足利の幼女殺害で東京高裁、一審支持の判決
栃木県足利市で一九九〇年五月、当時四歳の保育園児が遺体で発見された事件で、殺人などの罪に問われ、一審の宇都宮地裁で無期懲役の判決を受けた同市家富町、元幼稚園バス運転手菅家利和被告(四九)の控訴審の判決が九日、東京高裁であり、高木俊夫裁判長は「DNA(デオキシリボ核酸)型鑑定の証拠能力に疑問はなく、自白も信用できる」として菅家被告側の控訴を棄却した。同被告の弁護団は上告の方針を明らかにした。
2006年06月30日 朝日新聞朝刊 栃木中央・1地方
足利女児殺害、「鑑定時の録音開示を」 菅家受刑者提訴「無実証明の新証拠」/栃木県
足利市で90年に当時4歳の女児が殺害された事件で、殺人罪などで無期懲役判決が確定し、再審請求中の菅家利和受刑者(59)=千葉刑務所在監=が、一審で精神鑑定をした福島章・上智大名誉教授を相手取り、「無実を証明しうる最も重要な新証拠」として、鑑定時のやり取りを録音したテープなどの開示を求める訴訟を29日、東京地裁に起こした。「再三の開示請求に応じなかったのは憲法違反」などとして、慰謝料300万円の支払いも求めている。
2008年02月14日 朝日新聞朝刊 栃木全県・1地方
DNA議論、門前払い 足利女児殺害、再審請求を棄却 地裁、証拠の価値否定/栃木県
足利市で90年5月、当時4歳の女児が殺害された事件で、無期懲役が確定した菅家利和受刑者(61)の再審請求に対し、宇都宮地裁(池本寿美子裁判長)が13日に下した結論は、弁護団の主張をいずれも退けるものだった。最大の焦点のDNA型鑑定については「入り口」の議論で終わらせた。
(中略)
渡辺登・宇都宮地検次席検事のコメント 確定判決に誤りはなく適正妥当な決定である。
(中略)
日下部進・県警刑事部長のコメント 当時の警察の捜査が十分なものであったと再確認されたものと考えている。
2009年06月05日 朝日新聞朝刊 3総合
足利事件 DNA型一致せずの衝撃
がくぜんとする。刑事裁判の歴史にまた汚点が加わることになりそうだ。
栃木県足利市で1990年、4歳の女児が殺害された。警察は幼稚園バス運転手だった菅家利和さんを逮捕した。その菅家さんがきのう、逮捕から17年半ぶりに釈放された。
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