断然ラク!自宅の介護 負担激減のミラクル技2009年04月15日放送
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断然ラク!自宅の介護 負担激減のミラクル技

高齢化が進むにつれて増える自宅での介護
直面するのは、体への想像以上の負担です。
そこで今回のガッテンは、
「介護する人の負担を少しでも減らす」
ための方法を徹底追求しました。

さまざまな最新研究と実験から判明した「鉄則」はたった一つ。「立ち上がる」「ベッドから起きる」「寝返り」などを手助けするとき、
介護される側の人に動く準備をしてもらい、
人間の「自然な動き」を引き出すと、
介護する側の負担は大きく減ることがわかったんです。

番組では、介護される側の自然な動きを引き出す介護法に挑戦する人々をドキュメント!
専門家も驚きのミラクル技の数々も大公開!
また、「あるモノ」を使って精神的負担を減らす方法も紹介します。

番組ディレクターからのひとこと

一生忘れられない出会い

今回の番組作りは、自宅で介護をしている方の悩みを聞くことからスタートしました。
長野県松川町の皆さんが、
「介護の負担が減るのなら」と快諾して下さり、
町で在宅介護をしているご家族に集まってもらい様々な話を聞くことができました。

皆さんとの出会いは一生忘れられないものに。
「どんなところが大変ですか?」と聞く私に、
「私は全く大変じゃないよ。一番つらいのは本人だから。」と笑顔で答えてくれた女性。
「(寝たきりの)妻のために110歳までは生きたい」と話してくれた90代の男性。
家族を思いやり、懸命に介護をする姿に心を打たれました。

皆さんのように自宅で介護をしている方々の負担が少しでも減るようにという思いをこめて作った番組です。

自然な動きが介護のコツ

「寝返り」や「起きあがり」や「立ち上がり」そして、「ベッドから車いすへの移動」など、自宅での介護はとても大変。
腰やヒザを痛めるなど、体への負担は大きなものです。

そんな時、ある原則を知っているのと知らないのでは介護する側の体の負担が大きく違ってくるのです。
それは・・・
  「人間の自然な動き」

介護する人は、ついつい自分の力だけで何とかしなければ!と身を乗り出して相手を抱え上げてしまいます。
すると自分の腰やヒザへ大きな負担がかかるのです。

しかし、相手を自然な動きに近づけると、相手はバランスも取りやすいし、できる範囲で力を入れやすい状況になります。
結果として介護をする側の負担が減るのです。

達人の「立ち上がり」の介護術(一例)

※介護される人も介護する人も、倒れないようにじゅうぶん注意してください。

普段私たちがイスから立ち上がろうとするとき、足を引いて、いったん前かがみになります。
介護をするときも、同じように相手に前かがみになってもらうと、介護する側の負担を減らすことができます。

  1. 介護される人に足を引いてもらう
  2. 介護される人のヒザと自分のヒザを合わせる
  3. 介護される人に、自分の肩に手をまわしてもらって前かがみになってもらう
  4. ヒザを支点にして自分の後ろに体重を移動する

意外と知らない!?人間の自然な動き

寝返り・起きあがりどうしてる?

私たちは、寝返りや起きあがりのときどんな風に体を動かしているのでしょうか。

調べてみると、ほとんどの人が
寝返りの場合
まず片方のヒザを立て、足の裏でけるようにして横に倒れていました。

起きあがりの場合
どちらかの腕で上体を支え、上体を斜めに倒して起きあがっていました。

つまり、ヒザを立てたり、上体を腕で支えるなど必ず「動く準備」というべき動作をしているのです。

「動く準備」を相手にしてもらえば、 あとは、自然な動きをサポートするだけで 格段にラクに介護ができるのです。

精神的な負担を減らすには?

介護のことで頭がいっぱいになり、一人で思い悩む。
そんな方の精神的負担を少しでも減らすために役立つのが
「ハッピーノート活用法。」

長野県松川町で、自宅で介護をしている皆さんにためしてもらったところ、始めて一週間後には、不安や落ち込みなどマイナスの気分や感情が改善していました。

ハッピーノート活用法

1冊のノートを用意し、
ページの左半分に 介護について良かったこと
右半分に 介護以外(日々の生活)でうれしかったこと
                    を書くだけ。

うれしかったことを書きとめるうちに次第に介護や介護以外の生活でのちょっとしたことがうれしく思えてくるのです。

  • 使い方や分量は自由です。
  • 嬉しいことを無理に探す必要はありません。
    ささいなことでOKです。

【実習コーナー】指一本で寝返り

クリックすると動画を再生します。

※骨が弱っているおそれがあるので医師や専門家に相談の上行ってください
※無理に動かさないでください。

手順

  1. 足(ヒザ)を上げてもらう
  2. 手を組んでもらう
  3. 頭を上げてもらう
  4. 指でヒザを手前へ倒す

ポイント

  • (1)~(3)のうち介護される人ができることをやってもらう

達人のひとことアドバイス

達人のひとことアドバイス

ベッドに接地する面を少なくすると寝返りさせやすくなります。
足を曲げられない人は足を伸ばしたまま組んでもらうだけでラクに!

【実習コーナー】ベッドから車いすへ(イスを使用)(1)

(足にある程度力がはいる人の場合)
※介護する側から見て右側に移す。

クリックすると動画を再生します。

※骨が弱っているおそれがあるので医師や専門家に相談の上行ってください
※バランスを崩しそうになったら体勢を整えてやり直してください。

手順

  1. 左手で相手が倒れないように背中を支える
  2. 相手の右脇の下に頭を入れる
  3. 後ろのイスに座り、相手のおしりをベッドから浮かせる
  4. 左足で相手の足を押しながら自分の体ごと車いすの方に向け確実に座ってもらう

注意点

  • イスは安定したものを使用し、車イスの方に斜めに向けて置く。
    イスの位置
  • 車イスはブレーキをかけきちんと固定しておく。
  • 手助けできる人がいるところでじゅうぶん練習をしてから行ってください。
  • 体に大きな負担を感じたらその時点でやめましょう!

達人のひとことアドバイス

達人のひとことアドバイス

介護する人の体が大きい場合は相手の腕をあごではさむと良いですよ!

【実習コーナー】ベッドから車いすへ(イスを使用)(2)

(足に全く力がはいらない人を移す場合)
※介護する側から見て右側に移す。

クリックすると動画を再生します。

※骨が弱っているおそれがあるので医師や専門家に相談の上行ってください
※バランスを崩しそうになったら体勢を整えてやり直してください。

手順

  1. 左手で相手が倒れないように支えながら相手のヒザを折り曲げて自分のおなかに押しつける
  2. 相手の左の脇の下に頭を入れる
  3. 右手を相手のふとももと自分の右足の間に入れてゆっくりイスに座る
  4. 左手で背中を引き寄せながら右手でふとももを持ち上げ相手のおしりをベッドから浮かせる
  5. 車イスの方に自分の体ごと向けゆっくり立ち上がり相手のおしりを確実に車イスに乗せる

注意点

  • イスは安定したものを使用し、車イスの方に斜めに向けて置く。
    イスの位置
  • 車イスはブレーキをかけきちんと固定しておく。
  • 手助けできる人がいるところでじゅうぶん練習をしてから行ってください。
  • 体に大きな負担を感じたらその時点でやめましょう!

【実習コーナー】ベッドでの体の位置の戻し方

クリックすると動画を再生します。

※骨が弱っているおそれがあるので医師や専門家に相談の上行ってください

手順

  1. ベッドの上に乗る
  2. 相手のヒザを立て 自分のおなかで相手のヒザを押さえる
  3. 相手におしりを上げてもらう
  4. 相手のおしりを前に押す

ポイント

おしりが上がらない人の場合は無理をしないでください。

達人のひとことアドバイス

達人のひとことアドバイス

上げてもらうのは片方のおしりだけでもOK