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洗足学園中学校・高等学校 帰国生対象説明会
2005年7月13日
by 田中 厚行 

7月12日に行われた洗足学園の帰国生対象説明会の会場を見渡すと100名を超える保護者が詰めかけていて、同校にかける期待の多さを感じました。


前田校長先生はまず保護者に「洗足学園にどのようなイメージがありますか?」と問いかけます。マイクを向けられた保護者の方々からは

  「帰国生の受け入れがしっかりしている」
「音楽に力を入れている」
「ほかの学校よりホームページの情報が充実している」
などの声があがりました。
前田校長先生は保護者とのコミュニケーションをとってから学校について語り始めました。「帰国生入試を14年前から始め、現在では受け入れ態勢も整っています。また、音楽教育については昨年から『音楽は楽しくなければ』という思いから独自の授業を実施しています。これは管楽器・弦楽器の中からひとつの楽器を選び、授業の中でグループレッスンをしながら演奏できるように計画しています。最初はお世辞にも上手いとはいえませんが演奏会を開く時期には皆の一生懸命な姿を見てなんともいえない感動があります」と丁寧に説明していきます。

■社会の有益な女性を育てる
 洗足学園は創立当初から『社会の有益な女性を育てる』を目標に子どもたちを育成してきました。これは現代でいうと『社会に貢献し、活躍できる女性』を育てるということ、この社会とは日本だけではなく世界まで範囲は広がっています。30年後には国内の生産者人口が400万人不足するというデータがあります。逆にいうと今後益々、女性の社会進出が望まれています。

 この社会に貢献し、活躍できる女性を育成するひとつの手段として幾つかのプログラムを洗足学園では導入しているそうです。中2から高1にかけての「キャリアプログラム」では20代後半から30代前半の生徒と年齢が近い社会人を招いて生徒たちに自分が失敗したこと、成功したことなどを話してもらう機会があります。

 また3年前より始めたニューヨーク国連会議には毎年2名ほどの生徒が参加し、これは80数カ国から40名ほどの子どもたちが国連に集まり、他国の子どもたちとグループを組みディスカッションをします。今年はファーストフードを1日3食1ヶ月間食べつづけるとどうなるのかということに挑戦した「スーパーサイズミー」というドキュメンタリー映画を作ったモーガン監督を招き、食育について議論したそうです。このミニ国連が終了すると、参加した生徒は帰国レポートとしてどのようなことを行ったのかを他の生徒の前で報告します。これによって多くの生徒が体験し、学んだことを学園全体で情報共有することができるのです。
 この他にも今年から次世代リーダー養成塾へ生徒を参加させるなど今後も生徒が活躍できる場を多く設けています。

 前田校長先生は「良い出会いの場をどれだけ作ってあげられるかを常に考え、このようなプログラムを取り入れています。そして最も重要な出会いの場は授業だと思います。学校生活の中で教師が生徒に与える影響は実に多大なものでしょう。本校に教育実習にきている学生になぜ教師の道を選んだか聞いてみると『洗足で学んだときの先生の影響が大きかった』との答えが返ってきます。」といいます。このような『出会いの場』が同校の生徒の知と精神の成長を大きく促しているのでしょう。

 洗足学園は生徒の多様化する進路希望にこたえるために海外大学進学へも本格的に動き出し始めたようです。実際、米国や英国の大学へ行きたいという生徒が増えてきていると聞きました。そのため保護者と生徒に向けた海外大学進学へのガイダンスを今年から行っています。講演者として自ら留学を体験し、UCLAを卒業している岡部憲治氏(NTS教育研究所 国際教育情報室室長)を招き、米国の大学システムや留学のための準備や手続き、心構えなどの説明がありました。このように前田校長先生をはじめとする先生方の取り組みにより、洗足生たちは未来を創るリーダーへと育成されていくのでしょう。
学校HP:http://www.senzoku-gakuen.ed.jp/




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