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【国際】

欧州議会選 反EU極右躍進

2009年6月9日 朝刊

 【ロンドン=星浩】欧州連合(EU)の欧州議会選挙は八日までの開票の結果、社会民主勢力が各国で歴史的敗北を喫する一方、欧州統合に反対する極右政党が勢力を伸ばした。投票率は過去最低を記録しており、経済危機の中、市民のEU不信が鮮明になった。

 暫定集計結果によると、中道右派の欧州人民民主党は定数七三六のうち、二百六十五議席を獲得する見込み。中道左派の欧州社会党は百六十二議席とふるわなかった。

 英国では、グローバリズムに対応する新しい社会民主主義を掲げて一世を風靡(ふうび)した労働党が、EU離脱を打ち出す右派の英独立党(UKIP)に得票率で下回る「戦後最悪の選挙結果」(BBC放送)となった。

 さらに、失業率の増大を背景に反移民感情をあおる極右の英国民党(BNP)が初めて議席を獲得。ほかの欧州諸国と比べて極右勢力拡大が抑えられていた英国政界にとり、衝撃的な結果となった。

 このほか、オランダで反イスラム的な政策の極右・自由党が躍進し、同国の二十五議席のうち四議席を獲得。ハンガリーやオーストリアなどでも極右が得票を伸ばした。

 欧州議会選の投票率は第一回の一九七九年こそ62%だったが、今回は43%に低下。棄権する市民が増える中、極右政党が強い不満を吸収する形で存在感を増す構図となった。

 

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