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大韓民国を揺るがすソウル広場(上)

集会開催が「熱い6月」の新たな争点に

 左派の市民団体や野党などが10日、ソウル広場で開催するとしていた「6月民主化運動(1987年)の精神を継承し、民主主義の回復を図るための6・10汎国民大会(通称:6・10汎国民大会)」について、警察とソウル市は8日、開催を不許可とした。だが、大会準備委員会側は「ソウル広場で“汎国民文化祭”を開催する」と話しており、警察がソウル広場を封鎖した場合、デモ隊との大きな衝突が起こる可能性が高くなる。

 野党や市民団体は10日、「6・10汎国民大会」を開催し、▲国政の刷新▲検察・警察の強圧的な捜査の中止▲富裕層を重視した政策の転換▲南北の平和共存の回復-という4項目の要求事項を発表することとしている。

 だが、6月民主化運動を記念する行事が相次ぎ、「熱い6月」と呼ばれる今月の中心的な争点は、汎国民大会での要求事項ではなく、「ソウル広場で集会を開けるか否か」という問題に変わった。集会を開く場所の問題が、集会のテーマよりも注目されるという、珍しい状況が展開されているというわけだ。

8日午後、ソウル広場を訪れた市民たちが、芝生で思い思いに休んでいた。まさに「嵐の前の静けさ」だ。野党や一部の市民団体が10日に開催するとしていた「6・10汎国民大会」について、警察は8日、開催を不許可とする通告を行った。/写真=イ・テギョン記者

 警察はこの日、集会の開催を不許可とすることを通告した際、警察の判断に基づいたものではなく、「集会および示威(デモ)に関する法律(以下、集示法)」に従った措置であることを強調した。民主党が集会の開催を届け出る前、自由総連盟が「乗用車曜日制(車の所有者ごとに、1週間に1日だけ運転を控える曜日を決める制度)に自主的に参加するキャンペーン」を行う、と届け出たためだという。

 集示法は、先に届け出た集会を保護する、と規定している。今月5日に発足した「6・10汎国民大会準備委員会」の名で行われた「6・10汎国民大会」開催の届け出は、8日までに受理されなかった、と警察は発表した。一方、警察は民主党が10日昼、ソウル・汝矣島の文化広場で開く予定の集会については開催を認めた。

 警察はまた、「暴力デモに発展し、公共の秩序に直接的な脅威をもたらす恐れがある場合、該当する集会またはデモを禁止できる」と規定している集示法第8条も、「6・10汎国民大会」の開催を不許可とした根拠に挙げている。警察のある幹部は「昨年、米国産牛肉に関する歪曲(わいきょく)・誇張された情報に影響され、違法で暴力的なデモが100日間にわたって光化門一帯を麻痺(まひ)状態にした。当時のデモを主導した団体や勢力が今回、(6・10汎国民大会に向け)再び集結しているため、警察が選択し得る措置は、集示法に基づく厳正な対応だけだ」と話した。

 また、警察は「平和なデモ」を約束した集会の主催者側が、当日すべてのデモ隊を統制することができるか、という点についても懸念している。警察の幹部は「主催者側の意図に反し、デモ隊が勝手に動いて大きな騒乱につながるということも、昨年の(米国産牛肉の輸入に反対する)ろうそくデモ以降、数々のデモの現場で実証済みだ」と指摘した。

廉康洙(ヨム・ガンス)記者

チョン・ジソプ記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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