韓国経済:4-6月期底打ち論が有力に
韓国の景気が今年4-6月期に底を打ったとの見方が広がっている。
尹増鉉(ユン・ジュンヒョン)企画財政部長官は6日、朝日新聞とのインタビューで、「(韓国経済が)1-3月期に続き、4-6月期にも好転すれば、ある程度底を打ったと言えるのではないか」と述べた。慎重な表現ながら、尹長官が4-6月期底打ち論に言及したのは初めてだ。韓国政府は4-6月期の成長率が1%前後を記録し、1-3月期の0.1%より大幅な成長を示すと予想している。
しかし、韓国経済がたとえ4-6月期に底を打ったとしても、米欧などの経済が回復しない限り、国民が肌で感じるほどの力強い回復は難しいとの見方が支配的だ。
◆景気底入れを裏付けるシグナル
1-3月期に続き、4-6月期にも国内総生産(GDP)のプラス成長が確実視されること以外にも好ましい兆しが相次いで表れている。まず、企業業績が急速に改善していることだ。証券業界によると、時価総額上位111社の売上高は昨年10-12月期の170兆2713億ウォン(約13兆4500億円)から今年1-3月期には152兆8686億ウォン(約12兆700億円)へと大幅に減少したが、4-6月期には159兆2889億ウォン(約12兆5800億円)へと4.2%増加する見通しだ。4-6月期の営業利益も9兆8207億ウォン(約7800億円)で1-3月期より68.3%増加するとみられる。
輸出実績も2月から増加が続き、4月には300億ドルを超えた。企業の生産活動を示す鉱工業生産は前月比で4カ月連続の増加となった。
今後6-7カ月後の景気を予測する景気先行総合指数は、今年1月から4カ月連続で上昇している。特に同指数の構成要素である十大指標が4月には7年ぶりに全てプラスとなった。減少していた求人倍率、資本財輸入額、建設受注額などの指標が増加に転じたためだ。一部には景気底入れ後に急速な回復を示す「V字型」の回復を期待する声もある。KB投資証券は8日の報告で、「下期の韓国経済はV字型の回復を示すとみられ、KOSPI指数は10-12月期に1800ポイントまで上昇する」と予測した。過去には急な景気後退後にはV字型の回復を示した例が多く、歴史的にも例がない大規模な景気浮揚策が実行されていることが主な根拠だ。
◆反発力は不足
韓国経済が底入れしたとしても、不安要因が残っており、景気回復を楽観できないというのが専門家の共通した分析だ。韓国開発研究院(KDI)の金炫旭(キム・ヒョンウク)博士は「東欧の金融不安と米国の不良債権処理、北朝鮮問題など韓国経済が回復に転じるには外部の隠れた悪材料があまりに多い」と話した。現代経済研究院の兪炳圭(ユ・ビョンギュ)常務は「韓国経済はこれまで善戦してきたが、最近のウォン高と原油価格の上昇傾向を考えると、下期にはむしろ回復基調が鈍化する可能性もある」と指摘した。
金栄鎮(キム・ヨンジン)記者
崔炯碩(チェ・ヒョンソク) 記者
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