皆様、こんにちは。俺屍部屋にようこそいらっしゃいませ。
私、当主の名代として参りました橘稚早起と申します。
先日、二兎部屋の二兎様宅竜川伽羅王様より、当家の十三代目に「なりきりバトン」なる物を回して頂いたのですが、生憎ながら当主は急な病にて床についておりまして、ご挨拶が叶わず申し訳なく思っています。
当主に代わって深くお詫び申し上げ……
何だちー坊、ここにいたのか。
ちょっ! ヒコ!? あんた何で出て来てんの!!
何でとは異な事を言う。回ってきたバトンとやらの務めを果たしに来たのではないか。お前も、さっきまで早くしろと散々怒鳴っていただろうに。
そうよ! なのにいっくら言っても腰上げないから、もう急病ってことにして誤魔化しちゃうつもりだったのよ!
今さら出てこられたら、まるであたしが出番ほしさに嘘ついたみたいじゃない、やる気があるならあるで早くそう言え!
儂はやらんと言うた覚えはないのだが。お前は少々早合点が過ぎる、気をつけたがいいぞ。
えらそうにたしなめんなっ!
時間だってのに書見台の前にかじりついて、人がいくらせっついても上の空だったじゃないの。
読んでおったのがちょうど良いところでな、中途でやめられなんだ。
雑貨屋の処分品の特売チラシに良いところも何もあるか!
いや、あれも、その品が売れ残り処分品とされるに至った経緯を慮るとなかなかに興趣深い物があるのだぞ。
そんなもんに趣を感じるのはあんたくらいだわっ!!
……とにかく、出てきたからにはちゃんとやりなさいよね。挨拶くらいしたら。
うむ。
失礼つかまつったお客人。儂は橘宗家の末流にして十三代当主を相務める若日子と申す。
このようなむさ苦しい屋敷にご足労頂いたこと誠に忝なく存ずる。またのご来訪を心よりお待ち致す。ほな、さいなら。
ほな、さいなら、じゃな――――い!!
何いきなり終わらせてんのよ! 本題はこれからでしょ!!
何だ、儂が来る前に用件はすませてくれたのではないのか。
まだ何にもやっとらんわ! ほら、管理人のメモ読んで! ったく世話が焼けるったら……
では、更新報告から始めるか。トップとバナーを変更したそうだ。
え? トップ差し替えたのってもう数日前だったんじゃ。
しかし報告はしておらなんだぞ。
ここしばらく、日記を控えて改装作業に力を入れておったらしい。いつまでも愚図愚図引き延ばしては、まっとうな更新が出来ぬのはともかく、頂き物の展示やリンクの修整が遅れて無礼にあたるのでな。
しかし、いつまでもトップに三月生誕一族を載せっぱなしも気が咎めたため、四月誕生の一族絵を完成させて差し替えたそうな。
ほう、ちーがおるな。お前は四月生まれだったか。
ちーとか呼ぶな!
あんたが三月生まれだったらあたしは四月に決まってるでしょ、一月違いなんだから。
ようやく描いてもらえてちょっとほっとしたわよ。もう出れないんじゃないかと思った。
その画像を加工してバナーも変更された。
これで、直リンクバナーは50代目になるのだと。一日どころか数時間で下げた季節物もあるがな。並べると似たような切り取り加工ばかりしているのが如実にわかると管理人が自嘲気味に呟いておった。
人選だって偏ってない? あたしは今回初めてだけど、何度も出てる人いるわよね。
管理人が常に描く絵の人選が偏っておるからだろう。
……これだけ偏ってるんだから、今回くらいあたし一人で切り取ってくれてもよさそうなもんだわ。(ぶつぶつ)
バナーといえば看板だが、実施中の看板一族選考の中間結果はこうだ。
横並びで首位を争う三人のうち、一歩抜き出たのは璃羽。柑子、冬至が遅れて追う形となっておる。柑子の方がやや優勢と見ゆるな。
また、下位の方では、真風と朔夜が次第に票を集めて伸びてきている。まだまだ油断のならない展開のようだ。
ふーん……この選考の人選もだいぶ偏ってない?
致し方なかろ、管理人も始めた当初はさほど真剣ではなかったのだ。いずれは、投票者が自由に項目を増やせる方式での選考も考えていると言う。その際には、お前の項目も作るように管理人にかけあってやろう。
項目が出来たって票が入らなきゃ意味ないじゃないの!
何、お前には儂が入れてやる。
え、本当?
うむ。だから、お前は儂に入れよ。
そんな傷の舐め合いみたいな票はいらんわっ!!
ちー坊は潔癖よなあ。
潔癖とかいう問題か! ていうかその呼び方やめろっての!!
まあ、その話は後日でよかろ。まだ管理人の日記が続いているのだ。
後日にちゃんとしてくれるんでしょうね……
日記の残りは管理人の読書メモだ。久々に読書の時間をとれたらしい。読了リストは以下。
・Xの悲劇/エラリー・クイーン
・Yの悲劇/エラリー・クイーン
・源氏物語 巻一、巻三/瀬戸内寂聴
えっくす? えらりいくいーん?
異国の物語だそうな。推理小説の古典的名作と名高いため、以前から呼んでみたかったのだと。名作と言われるだけあって、読み始めたら止まらなかったという。儂も読んでみたいものだな。
少なくとも雑貨屋のチラシよりは面白いでしょうよ。
何故決めつけるのだ。お前はどちらもまだ読んでおらんだろう。
チラシくらい見たことあるわよ!
しかし今日のはまだ見ておらんはずだぞ。儂がもろうて来たのだからな。
チラシなんていつのだろうと変わらんわっ!!
そうでもないのだが……まあ良い。
源氏物語なら、儂も読んだことがあるな。お前はどうだ。
あるわけないでしょ。あたしはあんたと違って参内したりしないんだから、そんなもん目にする機会なんか……
家の蔵にあるぞ。
え、うそ!?
無論、全巻ではないがな。ご先祖に愛好者がいたらしく、どこぞからもらったか、気に入った部分を書き写したかした物が残っておる。
そんな切れ切れに読んだって話がわかんないじゃない。
儂とて頭からは読んどらん。それこそよほどの趣味人でもなければ、全巻揃って所持しておる者などそうはおらんでな。巻にもよるが、途中からでも面白いところは面白いのだ。
ふーん、例えば?
うむ、例えば蓬生という巻ではな、以前に登場した末摘花の姫君という女人が、零落の赤貧生活を送りながらも源氏の訪れを健気に待っているのだ。
しかし源氏は、自身の失脚、復位、栄達という転変のめまぐるしさの中で、末摘花のことなどころっと忘れておった。
それがある日別の女人の元へ通う途中で、屋敷の側を通りかかってはたと思い出してな、長いこと放っておいたせいで無惨に荒れ果てた屋敷内で末摘花と再会するのだが、源氏はそこで何と言うたと思う。
……「長い間忘れていてすみませんでした、これからはしっかりお世話します」……とか?
いやいや、そこで謝ったりはせんのが源氏という男だ。「そちらからお便りを頂くまではとこれまで堪えておりましたが、とうとう根負けしてやってきてしまいました」と言うたのだ。なるほど嘘とはこのようにつくものなのだなと儂は大層感じ入った。
んなとこで感じ入るなこのウスラボケ――――!!!
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