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西淀川の女児虐待事件、殺人罪での起訴見送りへ

2009年6月9日15時1分

 大阪市西淀川区の小学4年生、松本聖香(せいか)さん(9)が虐待を受け衰弱死した事件で、大阪地検は、母親の美奈容疑者(34)と内縁の夫、小林康浩容疑者(38)=死体遺棄罪で起訴=を勾留(こうりゅう)期限となる10日に保護責任者遺棄致死の罪で追起訴する方針を固めた。地検は死因と虐待の因果関係が明確でなく、両容疑者が殺意を否認していることから、殺人罪での起訴は見送ることにした。

 両容疑者は死体遺棄罪で起訴された後の5月21日、大阪府警に保護責任者遺棄致死容疑で再逮捕された。捜査関係者によると、美奈容疑者は再逮捕直後の府警の調べに、聖香さんの死亡直前の状態について「このままでは死んでしまうかもしれないと思った」と供述し、小林容疑者も「暴力をふるってベランダに長時間放置し、殺してしまった」と話していた。こうした点などから、府警と地検は再逮捕後も両容疑者に未必の殺意があった可能性もあるとみて調べてきた。

 府警の捜査では、両容疑者が3月中旬から聖香さんを殴ったりベランダに閉め出したりして虐待。4月4日夜、衰弱した聖香さんに暴行を加えてベランダに放置し、5日ごろに聖香さんが死亡した――という経緯が判明。一方で、聖香さんの死因は衰弱死で、ベランダに放置されたり、暴行を受けたりしたことが死亡の直接の原因とまでは断定できず、両容疑者が地検の調べに対して殺意を否認したことから、殺人罪で起訴しても公判の維持は困難と判断したとみられる。保護責任者遺棄致死罪で起訴されれば、裁判員裁判の対象事件となる。

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