
三宅 美博
三宅 美博(みやけ よしひろ) 1959生
複雑システム解析講座 適応学習システム分野 准教授 薬学博士
G3-820 TEL (045)924 5646
E-mail: 
東京大学大学院 薬学系研究科 博士課程修了後,金沢工業大学 情報工学科 講師,助教授を経て,1996年より現職.1999年よりミュンヘン大学
医学的心理学研究所 客員教授併任,2003年より東京医科歯科大学 バイオ情報学専攻客員准教授併任,2004年より東京大学 人工物工学研究センター 客員研究員併任.
専門分野:共創システム,コミュニケーション科学,認知神経科学
ヒューマンインタフェース,コミュニケーションロボティクス
研究室ホームページ

共創システム: 「間(ま)」のテクノロジーをめざして
現代の情報化されたコミュニケーション空間においては,その身体的インタラクションの希薄性から「場」が消失し,
共感や相互の信頼性の醸成に困難が生じています.これはインターネットを介する犯罪の多発という現実からも明らかでしょう.
われわれはこのような問題を克服するために人と人の心をつなぐ「共創システム」という在り方を提案してきました.
そして共創的コミュニケーションを支援できる人工システムの実現をめざして研究を進めています.
心をつなぐシステムとは,どのようなシステムのことでしょうか?
心は主観的な領域に属し,それはひとり一人に異なった経験として立ち現れてきます.
私の感じる“赤”とあなたの感じる“赤”が一致している保証はどこにも無いのです.
主観的領域がどうやってインターパーソナルに共有されるのかという問題は未解決のまま残されています.
そして共創システムはこのようなコミュニケーションの問題に取り組みます.
われわれは具体的に「間(ま)」という視点から共創的コミュニケーションを捉えています.
「間」はひとり一人の経験の中に創出される主観的な時間であるにも関わらず,
それが個体間で共有されてはじめてインターパーソナルな協調が可能になるからです.
サッカーの連係プレーなどは「間」が合うことの一例でしょう。
そして,個における主観的時間の生成とその社会的な共有の仕組みに注目します.
特に,われわれは共創的コミュニケーションにおける主観的時間(「間」)の共有に関する認知神経科学,および,
その応用としてのヒューマンインタフェースやコミュニケーションロボットの構成に取り組んでいます.

研究のアウトライン
■共創的コミュニケーションの認知神経科学
対話コミュニケーションにおける「間」の共有機構の解析とモデル化
協調タッピングを用いたインターパーソナルなタイミング共有機構の解析
■ヒューマンインタフェースとコミュニケーションロボット
ヒューマン・ロボット・インタラクションにおける「間」の共有
共創型介助ロボットWalk-Mateによる歩行リハビリテーションの支援
■新規テーマ
事象関連電位ERPを用いたブレイン・マシン・インタフェースの構築
インクルーシブ・デザインに基づく共創的ものづくりと場づくり
研究テーマの詳細

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場と共創,NTT出版,(2000)
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共創とは何か, 培風館 (2004)
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身体性・コミュニケーション・こころ, 共立出版 (2007)
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Two types of anticipation in synchronous tapping, Acta Neurobiologiae
Experimentalis 64, 415-426 (2004)
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Two types of phase correction mechanism involved in synchronized tapping, Neuroscience Letters 417, 196-200 (2007)

研究室での生活
コミュニケーションと意識の関係を統合的に探求したい人に向いている研究室だと思います.
また海外の大学や医療機関との連携も進めており,国際的な活動や福祉工学に興味のある人も歓迎です.
週2回のゼミと個別ディスカッションを通して活発に研究を進めており,
研究テーマは学生さんの希望を考慮した上で設定します.(http://www.myk.dis.titech.ac.jp/)
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