景気回復の実感広がりで衆院選勝利へ=菅自民選対副委員長
[東京 27日 ロイター]自民党の菅義偉選挙対策副委員長は27日、ロイターのインタビューで、累次の景気対策によって「6月以降には景気回復の安心感が出てくる」とし、景気回復の実感の広がりで次期衆院選での勝利に自信を示した。
鳩山新体制後の民主党支持率上昇はご祝儀で今がピークだと指摘。総選挙では「政権担当能力」を問うとし、民主党の社会保障の財源論や安全保障などの不明瞭さを訴えていく考えを強調した。
民主党は小沢体制から鳩山新体制に移行して、政党支持率が上昇。鳩山由紀夫代表が選出された直後の朝日新聞の世論調査(5月16、17日)では、衆院比例区の投票先は民主が38%で前回調査(4月18、19日)の32%から上昇し、自民は25%と前回の27%から低下、民主の優勢が強まった。政党支持率でも、民主が26%(前回21%)と増え、自民の25%(同25%)と並び、望ましい政権の形は「民主中心」45%(同41%)、「自民中心」28%(同29%)で、民主中心がさらに差を広げた。
しかし、菅氏は世論調査での民主党支持率の上昇は「ご祝儀だ」とし、「結局、小沢さんがやりやすい体制を作っただけという姿がみえてくる、今がピークだ」と一蹴した。
他方で08年度第1次補正予算、第2次補正予算、09年度予算、09年度補正予算と、これまで講じてきた累次の経済対策の効果が奏功し「日本経済にようやく下げ止まりの雰囲気が出てくる」と期待。地方議会での手続きを経て、08年度第2次補正予算と09年度予算の経済効果が6月以降出てくることから「6月以降、実感として景気がよくなり始めたと感じてもらえれば、選挙は負けない」と自信を示した。
解散・総選挙の時期については、麻生太郎首相の判断としながらも「29日ごろには補正予算が成立。予算関連法案のほか、消費者庁設置法案、海賊行為対処法案などの重要法案などを全て成立させてからで良いのではないか。急ぐ必要はない」と述べるにどどめた。
政権選択となる次期衆院選での目標獲得議席数については「与党で、過半数維持が最低(ライン)」とし、自民党単独で「比較第一党」を挙げた。
与党で過半数を確保しても、郵政解散で獲得した3分の2議席に及ばない事態になれば、衆参ねじれ国会の中で、政権運営は暗礁に乗りかねない。しかし、選挙後の政権運営について、菅氏は「大丈夫。小沢さん(前民主党代表)は選挙だ選挙だと言って、話し合いなしできた。しかし、選挙が終わればルールができる。国民のためにもルールを作るべきだ」と述べ、選挙後の政権運営についても自信を示した。
社会保障制度維持のための安定財源として検討されている消費税増税問題が争点化する可能性については「責任ある社会保障を主張するとき、財源をきちんと示すことは大事」としながらも、今は景気対策に全力を挙げているとし「3年終わって景気が良くなっていれば、行政改革などを行った上で考えたいということだ」と述べるにとどめた。
(ロイターニュース 吉川 裕子記者 藤岡 知紗記者)
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