農水所管法人、自己破産へ 資金のめど立たず存続断念農林水産、総務、経済産業の3省が所管する社団法人「日本農村情報システム協会」(東京都豊島区)が、資本金に相当する基本財産6億円以上を不正流用していた問題を受けて、同協会が自己破産を申請する方向で最終調整に入ったことが8日、分かった。既に債務超過に陥っており、資金調達のめどが立たず事業継続は困難と判断した。 役員に農水省と経産省のOBがいる同協会が自己破産で消滅すれば、防災無線普及など公的事業を手掛ける団体の不正の真相が解明されず、うやむやになる恐れが強くなる。所管3省の監督責任の有無も今後焦点となりそうだ。 負債総額は10億円超とみられる。同協会は9日の理事会で最終決定し、同日午後に開く通常総会で会員企業に報告する方向。ただ、理事会の議論によっては総会の決議事項である解散などを選択する可能性も残る。 同協会は3省から5月29日、不正流用の事実関係や責任の所在を明らかにするよう業務改善命令を受けたばかり。3省は背任容疑などで刑事告発を検討している。6月2日の理事会で一部幹部が自己破産のほか解散も提案。職員の雇用維持を図るため民事再生法の申請を求める意見も出て、合意に至らなかった。 農水省によると、同協会は定款に違反して基本財産を取り崩し、協会幹部が役員を兼務する任意団体「情報システム技術会議」への業務委託費に流用。流用額は2008年度までの6年間で6億4600万円に上った。農水省は同協会に、技術会議での資金使途の解明を求めている。 【共同通信】 |
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