トヨタ:プリウス、フル生産 残業も復活 愛知・堤工場

2009年6月8日 20時12分 更新:6月8日 20時34分

生産する6車種のうち、プリウスが約8割を占める=愛知県豊田市のトヨタ自動車堤工場で2009年6月8日、米川直己撮影
生産する6車種のうち、プリウスが約8割を占める=愛知県豊田市のトヨタ自動車堤工場で2009年6月8日、米川直己撮影

 トヨタ自動車は8日、堤工場(愛知県豊田市)でハイブリッド車(HV)新型「プリウス」の生産工程を報道陣に初公開した。ガソリン1リットルで38キロ走行が可能な世界最高水準の燃費や、最廉価版205万円という割安感が人気を呼び、5月18日発売の新型プリウスはすでに14万台を超える受注(今月5日)を獲得するなど、エコカー市場をけん引。生産拠点の堤工場とトヨタ車体富士松工場(同県刈谷市)は、フル稼働で月間5万台の新型プリウスを生産している。

 中型セダン「カムリ」などを生産する堤工場では、世界的な自動車不況の影響で今年1~3月は減産を実施していた。しかし、4月以降は新型プリウスの生産ラインを従来の1ラインから2ラインに拡大し、残業も復活。2ラインで1日に新型プリウスを計1500台前後組み立てている。

 トヨタ車体富士松工場と合わせた月間生産約5万台のうち約3万台は海外向け、約2万台が国内向け。フル生産でも需要に追いつかず、納車は5カ月待ちの状態だ。

 工場内に防音壁で囲った特別なブースを設け、シートを倒す際の小さな異音も点検するなど、静粛さが売り物のHVならではの品質へのこだわりがある。このため、「現段階では、2工場合わせて月5万台のペースを維持していくのが基本」(藤岡高広・堤工場長)としており、今後は一段の増産態勢をどう整えるかが課題になりそうだ。【大久保渉】

文字サイズ変更
この記事を印刷
 

特集企画

おすすめ情報