【栃木】佐野市民病院 市に750万円返還へ 民営化後初の決算 外来など医業収益好調で2009年6月9日
昨秋に民営化された佐野市民病院(福光正行院長)の初めての決算が八日、佐野市議会全員協議会で報告された。外来、入院などの医業収益が好調で、約七百五十万円の収支差額が発生、市に返還されることになった。全国の公立病院で破綻(はたん)や縮小が相次ぐなか、民営化を選択した同病院は順調な滑り出しとなった。 (梅村武史) 同病院は、医療法人財団「青葉会」(本部・東京都)を受け皿に、指定管理者制度による運営を昨年十月から実施。今年三月までの二〇〇八年度下半期決算によると、収入は約九億三百万円。このうち本業の稼ぎである医業収益が六億一千六百万円で、想定より20%近く多かった。対する支出は八億九千五百万五千円。 市民病院管理課は、運営法人による有機的な人員配置と民間手法を活用した効率的な運営が原因と分析。物品調達の低コスト化、入院期間の短縮化が進んでいるという。 また、常勤医も民営化後の現在は六人まで回復。優良な医師の確保で他県など遠隔地からの患者も増え、民営化後の一日当たりの外来患者数は二百三十七人と市営時代の百八十三人(〇七年度)から一・三倍に増えた。 佐野市は地域医療維持などの名目で二億円超の運営補助を行っており、残金は市に返還されることになる。岡部正英市長は「院長はじめ、医療スタッフが努力をしてくれた結果。順調なスタートが切れて市としてもうれしい限り」と話した。
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