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健やか総本舗亀山堂


大手企業は、大事な事を三つ忘れている

季節は既に春だというのに、随分と冷え込む日々が続く。
特に今朝は指先がかすかに震えるほどだ。中の灯油を抜き、片付けかけていたはずのストーブが、私のかたわらで仕事を再開し始めている。

キーを打つ手がスムースに動かず、もどかしい。
だが、そんな私以上に、今、祖国は震えている。
不況の吹雪を、その身に受けながら。



1.火種を作る事を忘れた大手企業


祖国が凍えている時は、湿気(しけ)った薪が詰まった巨大な暖炉に、火を点(とも)して暖を取らせてやらねばならない。
“巨大な暖炉”とは“消費市場{*1}”の事であり、その中に詰まる“薪”とは“企業”の事だ。
そして、この企業の景気に火を点ける事ができるのが、“高所得者{*2}”という名の“火種”だ。

高所得者が百万世帯いれば、車は百万世帯分売れる。さすれば、自動車産業の中小企業も懐が暖まり、中から新たな高所得者(火種)が生まれる。
高所得者が百万世帯いれば、高価な家電製品も百万世帯分売れる。さすれば、各産業の中小企業も懐が暖まり、中から新たな高所得者(火種)を生まれる。
高所得者が百万世帯いれば、外食産業も百万回台所を賑わす事ができる。さすれば、外食産業も懐が暖まり、中から新たな高所得者(火種)が生まれる。

暖炉に投入された最初の百万の火種が、湿気り出していた薪に火を点け、その薪が新たな火種を生み出し続け、遂には祖国の震えを止める“好景気”という名の巨大な焔を立ち上げるのである。

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就職氷河期の心得<後編>

前回は、就職氷河期を迎えられる学生諸君らへ宛てた解説と助言だったが、
今回は、将来、新卒の時に氷河期に当たってしまうかも知れない小・中・高の学童の皆様に申し上げる。

学童の皆様が、氷河期に備えてやるべき事は、
第一に、“受験勉強”という無駄な事は止めて、国家資格や公的資格の勉強を始める事だ。
第二に、進学塾という無駄な所に通う事を止め、コミュニケーション能力を身に付ける為に接客関係のバイトと挨拶からキッチリ教えてもらえる部活動を経験しておく事だ。
第三に、公民、理科、数学など無駄な事を学習している暇があったら、ネット環境さえあれば自宅でも生計が立てられるスキル・・・すなわち、プログラミング、イラストレーション、WEBデザイン、ネットオークションやネット通販で販売できる手芸などを身に付けておく事だ。
学校の勉強は、三流大学に入れる程度に留めれば良い。

では、なぜ、受験勉強が無駄なのか?
なぜ、進学塾が無駄な所なのか?
なぜ、公民、理科、数学等の勉強が無駄なのか?

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就職氷河期の心得<前編>

2005年、日本国土をおおっていた不況の氷は、遂に音を立てて亀裂を生じた。
だが、そのわずか四年後には、東から押し寄せた金融危機の吹雪により、その亀裂の上に、再び厚い氷の膜を張り始めた。今年の新卒諸君らは、第二期・就職氷河期を迎える事となる。

巷では、第一期に比べれば増しだとの意見が主流だが・・・・・私は、楽観視していない。
なぜならば、日本の現在の土壌が、当時とは余りにも異なる為だ。

バブル崩壊時は、大手・中堅に勤める高所得者が多かった。
企業はリストラをためらい、リストラする際は、退職金を割り増しするのが普通だった。
ゆえに、“当時は、直ぐには消費は落ち込まなかった”のである。
また、定年退職する社員が出る度に、正社員を補充する必要があった為、大手・中堅の会社でも雇用があった。

だが、今回は違う。
1999年に派遣制度が解禁されて以来、現在、大手・中堅の社員の過半数が“低所得”の非正社員で占められている。
(現在の非正社員人口は、労働者の四割に当たる1800万人)
正社員でも、年配社員の雇用を守る為に、今の若年層は給与を低く抑えられている。
さらに、就職氷河期に企業の多くが求人を停止・縮小していた為、就職氷河期世代(20代半ば〜30代半ば)の多くが低所得の中小企業や零細企業に勤めている。
非正規で勤めている者も、男性だけでも10%を超える。
(2008年の「ひょうご青年実行委」の調査では、兵庫県の若年層の三分の一が非正社員であり、年収は200万以下。正社員でも、300万以下が34%、200万以下が34%、100万以下が10%を占めていた)
しかも、非正規の労働者を中心に大量にリストラが行われた上に、その多くは退職金も出なかった。

これがどういう意味かお分かりだろうか?
そう・・・・バブル崩壊の時、日本は暖かい土壌の上に氷河期を迎えた。だが、今回の二度目の氷河期を迎える日本の土壌は、初めから冷え切っているのである。

これらの事を考えれば、バブル崩壊時よりも速い速度で、消費が落ち込み、不況が加速する可能性が考えられる。
そうなれば、多くの企業が求人を見合わせる事だろう。
(それに今は、正社員が定年退職しても代わりに派遣社員を入れれば良い為、定年退職に伴う社員の需要も発生しない)

今回は、氷河期がどのようなものであるか知らない学生の皆様の為に、私の方から簡単な説明と助言をさせていただく。

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