観光客や地元の人に愛されてきた「小郡饅頭(まんじゅう)」(金子製菓)と「小郡まんじゅう」(友月堂)。小郡銘菓として双へきをなす二つのお菓子のルーツとおいしさの秘密を紹介する。【佐野格】
小郡の饅頭の原点は、1900年、山陽鉄道小郡駅の営業開始に伴う駅売り饅頭で、製菓業を営む故井本友助さんが売りだしたのが始まり。
小郡地区は毛利家の領地だったことにちなみ、毛利水軍の旗印を形どり、素朴なおいしさから人気を博したという。2店は、その井本さんから味やデザインなどの「伝統」をそれぞれ受け継ぎ、「小郡名物」を作り続けている。
金子製菓の饅頭は北海道産の小豆を100%使った自家製の餡(あん)を、職人が型で一枚一枚打ち出し丁寧に焼き上げる。早朝から毎日平均2000個作る。「皮が薄く、あんこの風味が生き、しっとりとした味わい」と販売主任の金子恵さん(44)は胸を張る。
一方、友月堂の饅頭は、同様に北海道産の小豆に県内産100%のハチミツを加えたのが特徴。1日平均3000個を作る。「硬からず軟らかからずの案配を心がけている」と社長の長尾憲治さん(52)は話す。
それぞれ口に運んでみた。程良い甘さに、濃いお茶がほしくなった。
金子製菓(083・972・0517)。友月堂(083・972・0623)。
〔山口版〕
毎日新聞 2009年5月28日 地方版