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【社会】

伸び悩む 五輪支持 築地移転 賛成は3割満たず

2009年6月8日 朝刊

 「賛成六割、反対三割」。東京都議選(七月十二日投開票)をめぐる本紙の世論調査で、二〇一六年夏季五輪の東京招致への賛否を尋ねた結果だ。都議選の大きな争点になるが、都民の「五輪支持率」はいまひとつ伸び悩んでいる格好。一方、築地市場の豊洲地区への移転については、支持が三割弱、不支持は六割と出た。 

 本紙世論調査によると、五輪招致に「賛成」と答えた人は、全体の61・6%。十月の開催都市決定まで四カ月足らずだが、東京五輪招致委員会が目標としていた「八割」の支持率より低い。

 招致実現に向けた東京の課題とされる「世論の支持」は依然、伸び悩んでいることが浮き彫りになった。

 「賛成」と答えた人に理由を選択肢から選んでもらったところ、「次世代に夢を与えるから」が47・3%でトップ。「地元で五輪を見たい」が29・6%、「スポーツ振興につながる」が13・1%で続いた。

 また、五輪招致に「反対」と答えた人は、全体の30%。理由は「会場建設などにお金がかかりすぎる」が70・3%と圧倒的。「計画や理念に疑問がある」が17・5%、「二度目の開催だから」は4・9%だった。

 東京五輪招致委がインターネットを利用して実施した今年一月の意識調査では、東京開催への支持率は都内68・6%、全国70・2%。四月の調査では都内69・7%、全国72・6%だった。

 五輪招致には東京のほか、米シカゴ、スペイン・マドリード、ブラジル・リオデジャネイロがそれぞれ立候補している。

 築地市場を豊洲地区に移転する計画については、「支持する」と答えた人が26・4%。「支持しない」が60%だった。

 「支持しない」と答えた人に理由を聞いたところ、「移転先の土壌汚染」を挙げた人が48・3%、「築地にあることが重要だから」が46・6%と、ほぼ拮抗(きっこう)していた。

 豊洲地区の市場移転予定地では、環境基準の最大四万三千倍のベンゼンなど有害物質が検出された。都は、公募した新技術や新工法を駆使して大規模な土壌汚染対策を施してから市場施設を建設、二〇一四年十二月に移転開場する計画だ。

 

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