「なんとかしたい! にっぽんの子育て」。この言葉に、手薄と指摘される日本の少子化対策へのいら立ちが感じられる。先月結成された「にっぽん子育て応援団」のキャッチフレーズだ。
応援団は、経済評論家の勝間和代氏や、さわやか福祉財団理事長の堀田力氏らが呼びかけて発足した。子どもを産み育てやすい社会づくりを目指して活動し、子育て支援策の拡充を政府などに働きかける。
東京での結成シンポジウムには、小渕優子少子化担当相や各党政策担当者らもそろった。強力な支援策を求める声が会場の大半で、勝間氏は「敵は無関心」と、危機感を持たぬ人々らへのアピールを最大課題に挙げた。
政府の少子化対策が精彩を欠く中で、合計特殊出生率アップなど成功例とされるのが福井県だ。子育て支援策が評価され、よき父親に贈る今年の「ベストファーザー イエローリボン賞」に、香川県総務部長も務めた西川一誠福井県知事が選ばれた。
先日都内での授賞式で聞くと、「子どもの病気への対応など、ちょっとした応援を重ねることが大事。岡山は岡山で、香川は香川で、地域ごとに細やかに進めるべきだ」と語った。
さほどお金をかけなくても、やり方はある。「県民の父親」として表彰された西川氏の実践から、一筋の光が見えてくる。