【ブリュッセル=瀬能繁】欧州連合(EU)の金融対策に関する報告書が明らかになった。昨年来の金融危機で加盟27カ国が打ち出した金融機関への資本注入枠は約3100億ユーロ(約42兆3000億円)で、銀行間の資金取引に関する政府保証などを含めると総額3兆7000億ユーロ(約504兆円)に膨らんだ。今後の不良資産の増加リスクに懸念を表明したほか、EU全域の資産査定(ストレステスト)などを実施し、必要な公的資金を機動的に発動する方針を打ち出した。
EUの金融対策の総額は資本注入、政府保証、不良資産の分離策、銀行への流動性供給支援の4本柱の合計で、その規模は各国国内総生産(GDP)合計の31%となった。欧州委員会によると、公的資金のGDP比率が約3割という水準は米国とほぼ同程度という。(07:00)