男子50メートル背泳ぎB決勝でゴールした古賀淳也=東京辰巳国際水泳場
「競泳ジャパンオープン2009最終日」(7日、東京辰巳国際水泳場)
10種目が行われ、7月の世界選手権(ローマ)日本代表で男子50メートル背泳ぎ日本記録保持者の古賀淳也(21)=スウィン埼玉=が予選で水着が脱げて失速。予選10位でB決勝(9〜16位決定戦)に回り25秒17でゴールした。A決勝を制し、100、200メートルに続く3冠制覇となった入江陵介(19)=近大=の25秒27を上回りながら、優勝を逃すという“チン事”となった。女子50メートルは酒井志穂(18)=ブリヂストン=が制し3冠。また、大会を通じて日本新記録は誕生しなかった。
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スタート直後の下半身の違和感で、古賀はすべてを理解した。「ビラビラした感じ。水着の中に水が入る」。脱げた!
加速すればなお脱げる。減速したら負ける。ジレンマの中、バサロの回数を11回から9回に減らす懸命の努力。あお向けに泳ぐ背泳ぎだけに、前部分も脱げる“大チン事”は何とか防いだが「お尻が開けるくらい脱げちゃった」。半ケツ状態でゴールし、予選10位でA決勝進出も逃した。
古賀は水着のヒモは結ばずに、体の後方に回して水着の奥に入れる。そのヒモがいつの間にかゆるんで、スタートの衝撃で一気に脱げた-というのが真相だった。
B決勝ではスタート直前にヒモを締め直す念の入れよう。“再発”は防いだが「逆にそっちに意識がいって、泳ぎに集中できなかった」。入江のA決勝Vタイムを上回ったが、目標の日本新には届かなかった。
世界選手権直前のチン事に「脱げたのは初めて。先に気づいてよかったです」。野球の斎藤佑樹投手と同じ早大生。“ハン(半)ケツ王子”というありがたくないニックネームを授かって苦笑するしかなかった。