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二足歩行ロボット:韓国が米国に技術を伝授

「ヒューボ」を貸し出し、共同研究

写真提供=米国国立科学財団
 韓国のロボットが、米国の科学者たちの「教科書」になっている。韓国科学技術院(KAIST)の呉俊鎬(オ・ジュノ)教授が開発した二足歩行ロボット「ヒューボ(HUBO)」がその主人公だ。呉教授は今年から5年間、米国国立科学財団(NSF)の国際共同研究プログラムから総額40万ドル(約3900万円)の研究費が支給されることが決まり、昨年末に「ヒューボ」を研究用として貸与したことが、7日明らかになった。国際共同研究プログラムはこれまで、韓国が米国から先進的な科学技術を学ぶ場となってきたが、ロボットの分野では逆に、韓国が米国に教える立場になったというわけだ。

 「ヒューボ」を基に米国で開発されるロボットの名前は、韓国語で「在米」という意味の「Jaemi」に決まった。研究責任者を務めるドレクセル大のポール・オ教授が韓国系という点も考慮された。研究グループには米国側からドレクセル大のほかペンシルベニア州立大、バージニア工科大、コルビー大、ブリンモア大など、韓国側からKAIST、高麗大、ソウル大などの研究者たちが参加する。「Jaemi」は走ることができる最新バージョンの「ヒューボ2号」ともいえるもので、重量は45キロと、元祖「ヒューボ」より20キロも軽い。そのため、歩くスピードも時速1.2キロから1.8キロにアップし、また時速3.6キロで走ることもできる。

 KAISTは「Jaemi」の管理や、米国の大学院生たちへの教育を担当する。すでに博士課程の学生二人がKAISTで「Jaemi」の操作方法を学んでおり、今年の夏休みにも再び来韓する予定だ。一方、米国では「Jaemi」に人工知能やナビゲーションなどの技術を組み込む研究を行う。

 子どもたちを対象にしたロボット体験教育も主な事業内容に含まれている。先月28日、フィラデルフィアの「プリーズ・タッチ・ミュージアム」で「Jaemi」が初めて公開され、子どもたちの人気を集めた。

 米国の科学者たちが「ヒューボ」の技術を学ぶことを決めたのは、二足歩行ロボットの分野で韓国や日本に後れを取りかねないという危機感があるためだ。ポール・オ教授は「韓国や日本はロボットを新たな成長に向けた“10大プロジェクト”として位置付け、集中的な投資を行っている。このままでは米国が、世界一のロボット大国の座を明け渡すことになりかねない」と話している。米国がロボットの知能の研究に専念している間に、韓国では「ヒューボ」、日本では「アシモ」(本田技研工業)といった二足歩行ロボットを開発し、目覚ましい成果を挙げた。

 呉俊鎬教授は「米国の研究者たちは“ヒューボ”を二足歩行ロボットの基本モデルと考え、感覚機能や知能、手足の動きなどさまざまな技術に関する実験を行うこととしている」と語った。韓国のロボット「ヒューボ」が今後、米国のあらゆる二足歩行ロボットの「生みの親」となることが期待される。

李永完(イ・ヨンワン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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