トリプルアクセルも磨き、力強く情熱的に
フィギュアスケート女子の中野友加里(プリンスホテル)が念願のバンクーバー五輪出場を目指し精力的なオフを過ごしている。新シーズン用のプログラムも出来上がり、完成度を高めようと滑り込む日々。今秋の五輪シーズン開幕に向け「集大成と言われる演技をしたい」と意気込んでいる。
5月から6月に振り付けに取り組む選手が多い中、中野は4月に新プログラムを完成させた。5月のアイスショーではエキシビションの新プログラムを披露し、今後のショーでは試合用のプログラムも演じる予定。「去年は出遅れたので、早めに作っておけば安心できる。去年は練習不足をずるずると引きずってしまった」。故障もあって万全でないまま開幕を迎えた昨季の反省から早めの仕上げを心掛ける。
可憐(かれん)、優雅といったこれまでのイメージから一転。ショートプログラム(SP)の「オペラ座の怪人」では男女の激しい愛を表現し、フリーの「火の鳥」では大空を舞う鳥を演じる。「どちらも小さいころから滑りたかった曲。力強く、情熱的に演じたい」
技術面では、昨季は決まらなかったトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を磨き、2連続3回転ジャンプの習得にも取り組む。
前回のトリノは惜しくも代表を逃した。競技人生のゴールと位置付ける五輪。「トリノの悔しさをバネに、あと一歩、五輪に近づくために4年間やってきた。毎日を大切に、一試合一試合を大切にやっていきたい」 (中村彰宏)
(2009年6月3日)