平成20年2月19日
平成19年の全国における光化学オキシダント注意報等の発令状況は、発令都道府県数が28都府県、発令延日数が220日でした。
また、光化学大気汚染によると思われる被害届出人数は、14県で合計1,910人でした。
光化学オキシダント対策のため、「光化学オキシダント・対流圏オゾン検討会報告書(中間報告)」(昨年12月27日公表)で示された調査研究等の課題等に取り組んでいくこととしています。
平成19年の光化学オキシダント注意報等※の発令状況は、発令都道府県数が28都府県(18年:25都府県、17年:21都府県)、発令延日数が220日(18年:177日、17年185日)でした。なお、新潟県と大分県で、観測史上初めて各1日の発令がありました。
光化学オキシダント注意報等の発令延日数は、気象条件等にも影響されるため、年により増減し、近年は200日前後で推移しています。
※注意報及び警報を併せて「注意報等」としています。(平成19年には警報の発令はありませんでした。)
発令延日数について、都道府県別に見ると埼玉県が32日で最も多く、次いで神奈川県が20日、東京都と千葉県が17日となっています。月別にみると8月の83日が最も多く、次いで7月の42日、5月の40日の順でした。
また、平成19年の光化学オキシダント濃度の1時間値の最高値は、8月11日14時の神奈川県川崎地域の0.209ppmでした。なお、光化学オキシダントの平均濃度は、近年漸増の傾向にあります。
平成19年の光化学大気汚染によると思われる被害の届出は、14県で合計1,910人でした(18年:8都府県289人、17年:10都府県1,495人)。
都道府県別では愛知県の771人が最も多く、次いで福岡県の513人、新潟県の352人となっています。月別では、5月の896人が最も多く、次いで6月の874人、7月の129人となっています。
これらの大部分は、小中学校における屋外での活動中に発生しています。被害症状としては、目やのどに関する症状が多く、休息、洗顔、うがい等により回復しました。数名が病院で診察を受けましたが、入院治療を要するような重症の被害者はいませんでした。
集団的被害(同一場所で同時に20人以上)の届出は22件あり、その届出人数の合計は1,196人で、被害届出総数の約63%を占めています。
光化学オキシダントの主な原因物質は窒素酸化物(NOx)と揮発性有機化合物(VOC)です。
環境省では、NOx対策として、これまでも大気汚染防止法、自動車NOx・PM法等に基づき発生源からの排出抑制を行っており、引き続き排出抑制に努めます。
一方、VOC対策については、平成18年4月から大気汚染防止に基づく排出規制を開始し、事業者による自主的取組と併せて排出抑制に努めています。
また、昨年12月27日に公表した「光化学オキシダント・対流圏オゾン検討会報告書(中間報告)」で示された今後の課題として、NOx・VOC対策のほか、調査研究・モニタリングの一層の推進、国際的な取組の推進等を実施することとしています。
なお、引き続き「大気汚染物質広域監視システム(そらまめ君)」を活用して、光化学オキシダント注意報等の発令状況などをリアルタイムに提供し光化学大気汚染による被害の未然防止に努めていきます。
(備考)
添付資料
連絡先
環境省水・大気環境局大気環境課
(直通)03−5521−8294
(代表)03−3581−3351
課長:岩田 元一 (6530)
課長補佐:宇田川 弘康 (6538)
担当:篠原 亮 (6539)