秋葉原無差別殺傷から1年 現場に花束、千羽鶴7人が殺害され、10人が重軽傷を負った東京・秋葉原の無差別殺傷事件は8日、発生から丸1年を迎えた。事件現場となった交差点には、被害者をしのぶ遺族や関係者が次々に訪れ、冥福を祈った。100を超える花束や千羽鶴が供えられ「どうか安らかに眠ってください」と書かれたメッセージカードも置かれた。 多くの報道陣が集まる交差点の反対側に、身内が事件に巻き込まれたという女性が一人で立ち尽くしていた。「あの5分で人生が変わってしまった」。現場をじっと見つめ、ハンカチで口元を押さえる。「まだ気持ちの整理がつかない」と涙を流した。 「あの時のお礼を言いに来ました」。東京都日野市の女性会社員(26)は、妊娠していた3年前の夏、JR新宿駅の階段で足を滑らせて転んだことがある。「大丈夫ですか」と手を差し伸べ、交番に連れて行ってくれたのが、事件で殺害された武藤舞さん=当時(21)=だった。子どもは無事生まれ、2歳6カ月になった。この日、現場を訪れ「あの時、助けてくれてありがとう」と手を合わせた。 事件で重傷を負った江東区のタクシー運転手湯浅洋さん(55)は早朝に現場で花を手向けた。「事件は風化していないと思った。二度と起こしてはいけない」。今も原因不明の胸の痛みや頭痛に悩まされるという。 殺人、殺人未遂罪などで起訴された加藤智大被告(26)に対し「すべてを正直に話すべきだ。それが亡くなった人たちへの供養につながるのではないか」と訴えた。 【共同通信】 |
関連記事を取得中...
|
ソーシャルブックマークへ投稿: (ソーシャルブックマークとは)