最終更新: 2009/06/08 21:52

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明治大学にオープンする昔の貴重な漫画などが集められた図書館の準備を取材しました。

子どものころ夢中で読んでいた漫画や雑誌が、いつの間にかどこかへ行ってしまったという経験はないでしょうか。
昔の貴重な漫画や雑誌を読むことができる図書館が、2009年夏、明治大学にオープンします。
漫画喫茶などは到底及ばない貴重な漫画の数々、急ピッチで進められる準備作業の様子を、特別に島田彩夏アナウンサーが取材しました。

明治大学構内の作業所には、見渡すかぎり漫画が置かれている。
2009年夏に、大学の施設としてオープンする漫画や雑誌専門の図書館の準備作業が行われている。
集まった漫画・雑誌は、戦前のものも含め、その数およそ14万冊。
企画にかかわっているのは、明治大学の森川 嘉一郎准教授で、今回、特別に貴重な蔵書を見せてもらうことができた。
森川准教授は「(これは薄いですけど、これも雑誌ですか?)雑誌の中に、付録としてつけられていた別冊のやつなんですよ」、「これは『松本 あきら』といって、松本零二の前のペンネームです」と話した。
そして中には、あの名作漫画「ベルサイユのばら」の初回掲載雑誌もあった。
森川准教授は「これは、ベルサイユのばらの初回、新連載が掲載されている号です」と話した。
雑誌を開いてみると、巻頭を飾っているのが「人気スターベスト10」で、1位は現千葉県知事の森田健作さんだった。
漫画や雑誌などを所蔵するためには、普通の書籍と違い、準備作業も特殊で、手間がかかる。
つくりが丈夫でないため、専門家がビニール袋に1冊ずつ入れて、劣化するのを防ぐ。
この14万冊の漫画や雑誌は、実はすべて、ある1人の人物の「蔵書」だった。
漫画評論家・米沢嘉博さんは、世界最大の同人誌即売会「コミックマーケット」の創立者の1人。
日本の漫画文化の象徴ともいわれ、世界各国から毎回50万人以上が集まるイベントに成長させた。
2006年に肺がんで53歳の若さで亡くなったが、生前は、漫画の収集家としても知られ、「日本一マンガを読んだ男」とも呼ばれていた。
妻・英子さんは、新婚時代を振り返り、「子どもが2人目が生まれるころには、布団1つに寝る場所しかもうなく。4人で寝て、あと周りは全部本だらけという状況になりました」と話した。
20年ほど前から借りていたという「漫画専用」の倉庫には、足の踏み場もないほど蔵書が敷き詰められていた。
英子さんは「見るとわかりますけど、ここ、(漫画が入った)箱の跡です。わかります? どんどん、どんどん放り込んでという感じだったんで」と話した。
この蔵書は、2009年初め、すべて米沢さんの母校である明治大学に提供された。
近年、日本の文化として研究対象となることも増えてきた漫画だが、これまでは資料を探すのも難しかったという。
明治大学の森川准教授は「貴重な本などは、個人のコレクターの方がお持ちのことが非常に多いわけなんですね。これからは、その貴重な個人コレクションをまとめて受け入れて、その個人の名を冠した形で、まとめて運用していける施設が必要になってくると思います」と話した。
米沢嘉博記念図書館は、2009年夏にオープン予定で、一般の人も、会員になれば閲覧ができるという。

(06/08 13:08)


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