盟友・タランティーノ監督（左）とともに「キル・ビル２」で２００４年のカンヌ映画祭に登場したキャラダイン。カンフーに長けた名脇役だった（ロイター、クリックで拡大）

　事故死か他殺か−。映画「キル・ビル」シリーズの悪役・ビルを演じていた米俳優、デビッド・キャラダイン（７２）が４日、滞在中のタイ・バンコクのホテルで死亡しているのが見つかった。自慰中の事故死というショッキングな報道も飛び出す中、米連邦捜査局（ＦＢＩ）までもが調査に乗り出す構えで、謎は深まるばかりだ。

　キャラダインはホテル室内のクローゼットで、ひもで首をつった状態で見つかった。当初は自殺と報じられたが、その後、キャラダインの体には首と性器にそれぞれロープが巻きつけられており、２本のロープは結び合わされてクローゼットの中につるされた状態だったという衝撃的な事実が現地マスコミで伝えられた。両手が後ろ手に縛られていたとも。

　奇怪な状態での死に、ＡＦＰ通信は５日、地元警察当局の見解として「自慰中の事故死か」と報道。法医学専門家の「自殺や他殺ではない。自慰中の事故とみられる」とするコメントも合わせて報じた。部屋のドアには鍵がかかっており、誰かが侵入した形跡もなかったことも、自慰中の事故死説を後押しした。

　一方、ＣＮＮなどはキャラダインの妻やマネジャーが「犯罪に巻き込まれた可能性がある」とみていることを世界に配信。仕事が順調で自殺の可能性はないことや、キャラダインが撮影に参加していた映画のプロデューサーが、事件性があるとマネジャーらに伝えてきたことを報じている。

　遺族は６日、ＦＢＩに対して、死亡原因の調査に協力するよう依頼したという。遺体は同日、バンコクから米国機で米国に送られ、遺族の要望で、検視が行われる。

　映画のように謎が解き明かされるのか。