毒々しく、赤い百合が花開く。
腐臭にも似た、強い香りは、扉を抜ける。
いつか、貴方は、坂の途中から貴女の香りがする。
そういって、抱き締めてくれた。
この部屋はいまでも、貴方の香りで充ちている。
毒々しく、赤い百合の香りで、それを消そうと。
貴方を消そうと。今夜もただ、虚しく百合を飾り立てる。
毒々しく赤い百合が流す蜜は、花弁を伝い溢れ出す。
貴方が恋しいと溢れ出す。
抱かれても、抱かれても、つながっても、つながっても、もっと、深く、もっと、ひとつに。と、想いは尽きない。
恋しい。恋しい。苦しい。