2009-06-08 01:36:40 sakuragi-pirokoの投稿

テーマ:乙女なピロコさん
 毒々しく、赤い百合が花開く。


 腐臭にも似た、強い香りは、扉を抜ける。


 いつか、貴方は、坂の途中から貴女の香りがする。

 そういって、抱き締めてくれた。




 この部屋はいまでも、貴方の香りで充ちている。




 毒々しく、赤い百合の香りで、それを消そうと。
 貴方を消そうと。今夜もただ、虚しく百合を飾り立てる。



 毒々しく赤い百合が流す蜜は、花弁を伝い溢れ出す。





 貴方が恋しいと溢れ出す。
 抱かれても、抱かれても、つながっても、つながっても、もっと、深く、もっと、ひとつに。と、想いは尽きない。




 恋しい。恋しい。苦しい。










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