くらくらする男
テーマ:肉食系女子の恋愛学「は? ブロンドにビビるような男はダメだね」
確かに。
ヤクザや金持ち、芸能人が分かりやすく派手でケバい、毒々しい女を好んで連れ歩くように、自分自身になんらかの権力や力がある男ほど、突飛な格好を受け入れてくれる。
ひとつにはどんな非難や中傷からでも「プロテクトしてやれる」という自信があるのだと思う。
が、つまるところ、
「オレの女をよく見ろよ。いっとくけど、オマエらなんかが太刀打ちできる女じゃねぇぞ。だから。見るだけなら、見せてやる。でも、オレの女に触れられるのはオレだけだ」
ってワケだろう。
何十人ものホストをはべらせた、その真中で「どうぞ。どうぞ。誰が見たって彼女はいい女だよ。誰だってタイプだよ。当然ですよ。だけど、彼女と一緒に帰るのはオレだよ」
そんなことをいってくれた男もいた。
アタシはもし、アタシが男だったら、プラチナブロンドの長い巻き髪に厚い化粧。つけまつげに、真赤な口紅とマネキュア。ミニスカートからまっすぐ伸びたキレイな白い脚に細いピンヒールを履いた、どぶ泥のようで、反吐が出そうなほど、メスの匂いをまき散らしている女を自分の女にしたい。
セックスの権化。リリス。妖婦。毒婦。それはファムファタル(宿命の女)だ。
そんな女の心もカラダも自分だけのものにしたい。
ほかの誰でもない自分に屈服する醜い姿が見たい。
そうすることで、自分の力に酔いたい。
自分がそう思われるような女になりたいから、アタシはアタシをアタシの理想の女につくりあげる。
服装や髪型をコンサバにむかわせたがるような男はいつも決まって、セックスも退屈で、会話のテンポも遅く、頭が悪い。
歯切れがよくて、ぞくぞくするような男は「ほら、コイツらオマエのこと見て、たってるぜ」なんて耳元でささやくもんだ。仕立てのいい上品なスーツに、オーダーメイドの靴を履いて、すました顔して下品な言葉をささやく。
カタチのいいキレイな唇からきこえてくるのは卑猥な言葉。
くらくらする男とはそういうものである。