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たばこ自販機:「顔認証」導入停止 大人が買えない!?

顔の形状などから成人であることを認証するたばこ自販機=京都市上京区で、望月亮一撮影
顔の形状などから成人であることを認証するたばこ自販機=京都市上京区で、望月亮一撮影

 たばこ自販機用成人識別カード(タスポ)なしで買えると評判を呼んだ「顔認証方式」自販機の新規導入がストップしている。「10歳でも買えた」といった未成年者の購入情報が相次ぎ、財務省が「問題がある」と指摘。メーカーがソフトの更新で判定基準を厳しくしたところ、逆に成人が買えないケースが頻発してしまった。たばこ店側はソフトの更新に二の足を踏んでおり、自販機の販売再開のめどは立っていない。

 顔認証方式の自販機は京都府長岡京市のメーカー「フジタカ」が開発。目や口の大きさなどから年代を判定し、識別できない場合は運転免許証でも確認できる。手軽に利用できる上、未成年の喫煙防止も期待され、昨年7月の導入前には予約待ちが出る人気となり、全国で約5000台が導入された。

 ところが、「未成年者が誤って成人と識別されて購入できた」という情報が相次ぎ、京都府内では10歳児が購入していたことが分かった。財務省が「誤識別の可能性がある状態での販売は問題」と指摘したこともあり、フジタカは今年2月に自販機の販売自粛を決定。導入店への説明と基準を厳しくしたソフトへの更新を進め、現時点で3~4割の作業を終えている。

 しかし、ソフトを更新して基準が厳しくなった自販機の利用者から「今まで買えたのに買えなくなった」「うまく成人と識別されなくなった」という苦情が激増。たばこ店側からは、撤去を検討する声さえ上がり始めているという。

 フジタカは「未成年者に売らないことが最優先。研究、開発を続けており理解してほしい」としている。【田辺佑介】

毎日新聞 2009年6月6日 19時43分(最終更新 6月6日 20時02分)

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