| このほかにもコミ戦は多様な戦略を実験的に行っている。そのうちのいくつかを列挙してみよう。
● 60通のファクス通信
選挙期間中、候補者は朝は駅頭に立ち、街頭を分刻みで回り、夜も個人演説会をハシゴ……と、超過密のスケジュールが組まれており、新聞やテレビを見る時間がない。そこでコミ戦では、「株価が昨日、さらに上がりました。小泉構造改革が実を結び、景気を回復させたのです」といった具合に、時事問題をコンパクトにまとめたペーパーを作り、全候補者の選挙事務所に送り続けた。その数なんと 60通。
「短くまとめられているので、演説などで役に立ちました。それと、党本部が自分のことを忘れていないんだなあという一体感のようなものがあった」(東京で当選した自民党候補者)
●全候補者の身辺調査
「身辺調査」といっても、要は各議員からの聞き取りによる人脈調査である。たとえば、加藤紘一元幹事長は蕎麦屋の団体と親しいとか、森前総理はトランポリン協会とつきあいがあるとか、そういう意外な情報をコミ戦が集めた上で、激戦区の蕎麦屋の団体に、加藤氏から一本支援の電話を入れてもらいたい、森氏にはトランポリン協会に電話を……ということをコミ戦が頼みにいくシステムを作った。これまで議員個人レベルでしか活用してこなかった人脈を、コミ戦が集中的・一元的に管理し、党全体の戦略として大いに利用したのだった。
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