経営者の立場では・・

October
10
2008

 外部環境が悪化してきて、通常の資金繰りが出来なくなることくらい憤ることはない。今回のような金融危機などは、まったく傍迷惑な話だが、それでは済まないのも事実です。僕だって、ある日突然融資が止まるというのを足利銀行の破綻で経験しているから、それがどういう意味なのかは十分すぎるくらい理解できている。目前に差し迫った危機的状況となるのは、個人ではなくて、こうした中小企業の経営者の皆さんだと思います。

 

 よく金融を「血液」に例えるコメントが出ます。当然血液循環が止まってしまえば、細胞が壊死して動物は死に至ります。だから、金融を公的資金で救うのは、止むを得ないとする理論。これは是非を問われれば正しいと思います。但し、それには条件がある。つまり、血液の流れを円滑にできたのなら、次にその血液がいつまでも維持されていないと、末端の細胞は復活しない。血液によって酸素や養分が運ばれ、それを使って徐々に再生する、つまり、再生するには時間がかかるのです。日本経済が苦しんでいるのは、この条件を金融機関が完全に無視した、または無視せざるを得なかったからです。

 

 公的資金の導入で再生された金融機関がやったことといえば、主に投資業務に近い。国内中小企業への貸し出し残高はほとんど増えなかった。つまり輸血を大量にしたものの、その結果安定した血流を再度採決して売ってしまった!ということになるでしょう。もっともこれは銀行だけの責任ではなく、国内中小企業の財務状況が苦しくてなかなか貸出量が増えないという事情もある。鬼のように厳しい金融監督庁の査察もあるし・・・・。融資を審査されて、債権を分類されちゃう。ランクが落ちると引当金を積み増さなくてはいけない。だから、融資の姿勢は非常に慎重になる。でもこれはパラドックスで、このような経済状況では中小企業の資金需要の大半は、あまりポジティブな資金じゃないから、貸せない。貸せる企業は資金需要がない。経済が停滞したなら必ず起こる現象です。ということは、この国の政府は、そして官僚たちは、自分達のやってることの矛盾をまったく理解していないことになる。

 

 いま、日本経済が金融危機であるとか、もうだめだとか騒いでいるメディアや政治家は、まったく何も処方箋を持っていないのかな?と心配になります。日本の状況を考慮すれば、個人消費を維持すること、そして中小企業を支援することを怠らなければ、まったく問題は無いです。銀行の融資額を増やすなら、保証協会やそのた新設保証システムを作ってその枠で大きく保証すれば、当然のことながら債権劣化なく融資が増える。個人消費を維持するなら減税して労働分配率の低下を補えばよい。保証協会の急増する債権の保証は政府出資、日銀出資で賄えばよい。日銀はリアルマネーを保証協会を通じて銀行に供給する。こういうシステムを作り上げればまったく問題なく、この金融状況は乗り切れます。

 

 今日も大きく株式市場は値下がりしていますが、何度も書きますけど、この下げは外資の換金売りに国内機関投資家が追従した狼狽売り、そして大証先物の誘導でしょう。日本経済が破綻するはずもないし、大企業にはここ数年間の好業績の余裕がたっぷりあるんです。投資ばかりに現を抜かしていた金融機関や証券が狼狽してるだけでしょう(苦笑)。

 

 なんとも情けないね・・・・^^;

 

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Posted by 有海啓介 | この記事のURL |