北海道恵庭市は5日、30代男性の経済部元職員が昨年6~10月、市民から集めた市のイベント開催費計約130万円を着服していたことを明らかにした。元職員は今年3月に諭旨免職処分を受けて退職したが、伊藤隆副市長ら幹部は昨年10月に着服の事実を把握しながら公表せず、処分も中島興世市長に報告していなかった。
市によると、元職員は当時、通帳と印鑑を管理しており、数十回にわたり預金を引き出し、借金の返済にあてていた。昨年10月8日に自ら上司に着服を申し出て、同28日には全額を弁済した。今年3月に職員が退職金を受け取って退職した際、中島市長に対して「依願退職した」と伝えていた。市長が全容を聞いたのは5月1日になってからだった。
市は刑事告訴はしない方針。伊藤副市長は5日午前の市議会運営委員会で、「職員管理上の責任を重く考えている。大変申し訳ない」と陳謝した。【久野華代】
毎日新聞 2009年6月5日 13時13分(最終更新 6月5日 13時38分)