中国・北京市で活躍する福岡市出身の建築家迫慶一郎さん(38)が6日、同市で開かれた母校・筑紫丘高校の同窓会に出席し、四川大地震で被災した四川省綿竹市の小学校再建プロジェクトへの支援を呼び掛けた。
迫さんは東京工大を卒業後、都内の建築事務所を経て2004年に北京市に「SAKO建築設計工社」を設立した。昨年5月の四川大地震で、多くの人が建物の下敷きになって死亡したことに胸を痛め、倒壊した綿竹市・春溢小の校舎を耐震性に優れた校舎に再建しようと立ち上がった。
現在までに日中両国の約30社が迫さんの計画に賛同、100人以上の人が支援金を贈ってくれた。しかし、昨年からの金融危機の影響で、資金調達が目標約2億3000万円の半分しか達成できていないため、着工はしたものの完成のめどが立っていない。
日中の民間企業が共同で小学校を建設するのは珍しく、校名も「春風日中友好小」に変わる。現場では文化の違いなどからトラブルが起きるときもあるが、日本から贈られた竹とんぼを追いかける子どもたちの笑顔に励まされているという。
この日、迫さんは福岡市のホテルで開かれた同窓会会場にブースを設け、参加者に計画を説明。高校の同窓会への参加は初めてだったが、熱心に耳を傾ける先輩たちに「がんばれよ」と肩をたたかれた。迫さんは「子どもたちのために早く校舎を完成させたい」と笑顔で語った。問い合わせはSAKO建築設計工社東京事務所=03(5548)4610。
=2009/06/07付 西日本新聞朝刊=