2歳4カ月の孫(男の子)。表情も豊かで身長、体重とも標準以上ですが、言葉が少し遅いです。歌も歌いますし大人の言うことは分かっているようです。何歳ぐらいまでに話せるようになれば良いのでしょうか。(岐阜県、祖母)
子どもの発育、発達における個人差は想像以上に幅広く、言葉の発達も例外ではありません。
子どもが意味のある単語を話し始める「初語」は生後10~13カ月に見られることが多いとされています。その後、周囲の大人などから話しかけられる言葉を覚えながら、次第に単語と物との結び付きや概念を理解していきます。
1歳半ごろからは指さしや首振りなどのジェスチャーを用いたコミュニケーションができるようになります。1歳半の子どもが話す意味のある言葉は10~20語程度ですが、その後は急速に増え、3歳では900語程度に達する子もいます。
2歳前後には身体(アンヨ、オテテなど)や位置関係(アッチなど)を理解し始め、「パパ、アッチ」などと「2語文」を話し始めます。
言葉の発達が遅い場合、聴覚に何らかの問題がある場合と、いわゆる「おくて」の場合があります。一般に、子どもによって発達の幅が広い3歳過ぎまでは、言葉以外の運動発達や物事の理解などに問題がないのなら、あまり問題視する必要はないと思います。
この方のお孫さんの場合、表情も豊かで発育も良く、大人の言うことも分かっているとのことなので、今の段階で焦る必要はなく、間もなく上手に話し始めるのではないかと思われます。
言葉の発達には周囲からの働きかけが不可欠です。絵本を読み聞かせたり、物事の名前を教えるなど積極的に声をかけてあげてください。
毎日新聞 2009年6月7日 東京朝刊