自作業界が変らなくてはいけない

October
03
2008

 自作業界はいつでも日本の最先端を行く。10年前のITバブルの時も、他の業界が冷え切っているときにまず自作業界が活性化した。そしてITバブルがやってきて、そういう流れで日本経済を牽引したものだ。いま、自作業界そのものは、客観的に見て底を打った感じがする。

 

 ここ数年、再編の波も何度となく訪れて、形は大きく変ってきた。メディアの淘汰も進み、そしてある時期には「勝ち組・負け組」という流行の表現も登場した。そして、パーツ販売の主流が店頭からネットへとシフトして行った。そのプロセスでは、廉価販売に拍車がかかった。その結果、これでもか、という淘汰が起こり、そこにアメリカのグローバリズムが持ち込まれて、日本勢は本当に苦戦を強いられた。価格競争だけでなく、価値観を変えようとするこの思想は、おりしもサブプライム問題によってその化けの皮が剥がれ落ちた格好。アメリカにはアメリカの、日本には日本の「良さ」があり「伝統」があり、そして人間のぬくもりがある。そういうものを全部無視して、儲かれば良しとする考え方など、崩壊して当然である。

 

 自作業界にとって2008年という年は、メモリアルな分岐点になる可能性が高いと思う。ここからまた、しっかりとした自作文化の普及と発展のために、しっかりと市場形成しなくてはいけないと思うし、少なくとも安売り合戦をやってはいけないと思う。かくいうWiNDyもしっかりと反省した上に、新しい自作業界を、そして新しい自作文化をしっかりと模索してゆかねばならない。

 

 時代は自分に追い風のときと向かい風の時がある。目標を定め、そして邁進できる環境が整ったとき、それはもうひたすらに進むときだと思う。風向きは走る勢いで追い風にしてしまおうというくらいの勢いが必要なのだ。WiNDyが発進する状況は全て揃ったと思う。

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Posted by 有海啓介 | この記事のURL |