2009.6.7

a_story_report_asouayana氏による、麻生新奈作品・複製権および同一性保持権の侵害について

 a_story_report_asouayana氏 により、私・麻生新奈作品の論評と称して、引用要件を満たさない抜粋行為(著作権法・複製権侵害に該当)、作者の意に反した改変(同一性保持権侵害に該当)が行われている。
 ここでは、これについて検証/記録し、a_story_report_asouayana氏への警告を行う。6月9日0:00までに、削除/変更その他の方策が取られない場合には、《Yahoo!》に当方の著作権侵害である旨の通報する。

該当URL

a_story_report_asouayana氏の問題点

同一性保持権の侵害
作者の意に反する改変が行われている。
複製権の侵害
引用の要件(引用@wikipedelia) として、「質的にも量的にも、引用先が「主」、引用部分が「従」の関係になければならない」とされているが、この自称論評は、引用部分のほうが多く、主従の関係を満たしていない。したがって、引用とはいえず、複製権侵害に該当する。
なお、引用@wikipedeliaには、「要約による引用は複製であるため、正当な範囲や主従関係、必然性などの引用の要件を守らなければならない点は、抜粋による引用と同様である」とも記されている。
抜粋(無断複製)=183文字、改変された抜粋(同一性保持権侵害)=67文字、改変された要約、81文字、合計331文字
論評部分=259文字

検証

作品冒頭部:無断複製=183文字・改変された引用=67文字

宇宙人 ( スペーシアン ) になりたかった。」原文 複製/改変文(a_story_report_asouayana氏)
 ボクは、コロニーの外が見える厚いガラスの上に陣どるのが好きだ。ガラスは宇宙に接している。  ボクは、  コロニーの外が見える厚いガラスの上に陣どるのが好きだ。
 ガラスは宇宙に接している。
 人間だったときには、乗ってはいけないことになっていたのだけれど、本物のネコたちが平然とその上を走るのを見て、猫型ロボットになってからは、ボクも真似をすることにした。 人がのぼることを禁止されたその場所で 本物のネコたちが走りまわるのを見て ボクも猫型ロボットになってからは真似をすることにした。
 ガラスの上に前足を投げ出して寝そべると、つやつやした黒い毛皮に覆われた自分の足の間から、宇宙を覗き込むことができる。  ガラスの上に前足を投げ出して寝そべると、
 つやつやした黒い毛皮に覆われた自分の猫の手の間から、
 宇宙を覗き込むことができる。
コロニーの外にある鏡が時刻ごとに角度を変えながら、ガラスに日光を注ぎ込む。  コロニーの外にある鏡が時刻ごとに角度を変えながら、
 ガラスに日光を注ぎ込む。
それが、 ボクの腹に当たって、 あったかい。 ──サイバネティックス・フィードバック。   それが、ボクの腹に当たって、あったかい。 ──サイバネティックス・フィードバック。

内容を改変した要約=81文字(a_story_report_asouayana氏)

猫型ロボットだった少年が未来からきてスペースシャトル【チャレンジャー号】の搭乗員【エリソン・オニヅカさん】の体を操って爆発事故を起こす話を描いた空想SF小説です。

論評部分:259文字(a_story_report_asouayana氏)

文中には、無駄な説明が多々あり、
また知識を誇示している印象を受ける記述が多々あり
虚栄心旺盛な作者の素顔を窺い知ることができます。

このために読者が大変不愉快な気持ちになる
駄作と萎縮しており非常に残念に思います。

作者の麻生新奈は、後書きで
<<私のようなヘタレ・アマチュアSF書き>>
と自分について書いております。

しかし私はこの人を【ヘタレ】ではなく
他人の考えを察して、感じ取る感性を欠如した
視野の狭い人間だとみなしております。<麻生新奈作品レポートより>

意に反する改変

冒頭部分について

 SFという小説カテゴリーは、本質的に、世界の前提を持たない。現代小説の場合、読者は作品世界を「自分が住む世界」と同じであるという前提がある。歴史小説であっても、読者は作品世界に対して、(歴史の教科書程度の)予備知識を持つ場合が多い。しかし、SFの場合、作品世界がどのようなもので、主人公がどのような存在であるか、読者の側には「前提」がない。
 それを読者に手際よく提示し、読者の感情移入を得るよう勤めるか?
 ある程度の情報を伏せて、読み進んだあとのサプライズに任せるか?
 そこは、作者にとっては工夫のしどころであるといえる。
 この作品では、前者……読者に情報を提示する……方策をとっている。(実際に十分伝わっているかどうかは、作者のスキル、読者の想像力、両者の相性がからむので、一概にはいえない)
 まず、冒頭1文。「ボクは、コロニーの外が見える厚いガラスの上に陣どるのが好きだ。ガラスは宇宙に接している。」私のサイトは、SFサイトを標榜していることもあって、読者のほとんどはSFファンである。ことに私と年代の近いメンバーは、TVアニメーション「機動戦士ガンダム」を1度くらいは見た方が多いので、宇宙+コロニーという単語で、だいたい、舞台がスペースコロニーであることは、想像してもらえる(という期待で書いている)。しかし冒頭1文ではまだ、主人公の「姿」は見えていない。
 それが描写されるのが2文目である。「人間だったときには、乗ってはいけないことになっていたのだけれど、本物のネコたちが平然とその上を走るのを見て、猫型ロボットになってからは、ボクも真似をすることにした。」まず、「人間だった」という過去形を先に出すことによって、読者の「人間じゃなければ、なんだ?」という疑問符を誘う。その次に、「本物のネコたちが平然とその上を走るのを見て」という短いインターバルをはさむ。そのあとで「猫型ロボットになってからは」と提示することにより、人間→猫型ロボットという(物語開始前の)経時変化を読者が追いやすくすることを意図している。
 a_story_report_asouayana氏の改変「人がのぼることを禁止されたその場所で/本物のネコたちが走りまわるのを見て/ボクも猫型ロボットになってからは真似をすることにした。」は、このような作者の側の意図を踏みにじるものである。

あらすじについて

 まず、a_story_report_asouayana氏の要約「猫型ロボットだった少年が未来からきてスペースシャトル【チャレンジャー号】の搭乗員【エリソン・オニヅカさん】の体を操って爆発事故を起こす話を描いた空想SF小説」は根本的に間違っている。
 原文では、主人公は、作中のオニヅカ氏に爆発事故の勃発を阻止させようとする。 しかし、「体を繰る」ことができなかったために、爆発は起こってしまうのである。 
 現在、阿檀こと麻生新奈は、YahooID=kazenimauhitohiranohaこと「ひとひらの葉」氏と対立関係にあり、このa_story_report_asouayana氏に関しても、「削除されてもよいように別IDを開設」すると公言してはばからないひとひらの葉氏の自作自演用キャラではないかと強く疑っている。(もし異なるのであれば、別人である旨の証明をいただければ、この部分は訂正する用意がある)。
 この「ひとひらの葉」氏には、他人の名前をわざと間違って呼称する奇妙な性癖があり、「承知のうえで、わざと間違いを書いて相手がいらだつ(あるいはいらだっているところを空想する)のを楽しんでいる以外、考えられない。今回のあらすじの改変も、誤読ではなく、その手の「イヤガラセ」であろうと考える。

論評への論評(麻生版)

 当初、冒頭部分の改変はなく、あらすじの改変のみであった。
 通常のウェブ小説の感想であれば、誤読であると申し入れれば訂正いただける場合も多い。しかし、今回は、「通常の感想」とは言いがたい。しかも、「論争相手の小説をけなして愉快がる」という手は、イヤガラセの手段として、誰にでも通用するものではない。ある意味、被害拡大の可能性が低いのだ。
 私はもうイラだつというより、冷笑しかしなくなっており、被害の拡大がないなら、放置でよいかな、と考え始めていた。

 しかし、林氏から長文の「論評への論評」(//)をいただいたことや、私信で心配くださる方もあって、やはり、作者の責任として、著作権侵害に該当する部分については、表だった抗議をしておくことにした。いわゆる「著作権法の親告罪的側面」から考えて、今回のa_story_report_asouayana氏の所業に正式に抗議できるのは、作者である私だけだからである。
 また、YahooID=kazenimauhitohiranohaこと「ひとひらの葉」氏は、これまでの実績から見て、著作権法への認識が薄く[参考]、今回の同一性保持権侵害についても、十分な知識をもっていないものと推測される。氏に、著作権への知識と認識をもっていただくためにも、正式な抗議をしておく。

 その一方で、論戦に作品批判を持ち込んだことに対しては、私は抗議するつもりがない。ウェブ小説の作者間にはそれなりの交流関係があるが、その中では、批判感想(辛口感想)の是非について、何度か議論になっている。私は、一貫して、
「ウェブに小説を出す以上、作者の望むとおりの感想がくるとは限らない」
「辛口感想をご遠慮したい、という“願望”をサイトに掲示しておくことはできるが、“禁止”することはできない」
という立場をとっており、自分に批判感想が向けられたからといって、それを“禁止”つもりはない。(無関係の方面から攻撃するのは、ま、お行儀は良くないと思うけれども)

 a_story_report_asouayana氏の論評部分のうち、「無駄な説明が多々あり、また知識を誇示している印象を受ける」という部分は、実は、SFを好かない人たちがその理由としてあげることがらに、非常に近い。
「説明が多すぎる」
「こんなことも知っているんだぞ、っていうのがハナにつく」
 その一方で、先に述べたとおり、SFは、「作品世界を説明しなければならない」というベースがある。単純にいってしまえば、「説明を読むのがいやな人は、SFを読むのに向いていない」のだ。説明が「多すぎる」かどうか、それを読んで「不快になるかどうか」は主観の問題であって、a_story_report_asouayana氏はそうだったんですね、としか申し上げることはできない。
 (もっとも、「萎縮する」という部分は、意味がよくわからない。「ひとひらの葉」氏は、日本語の間違いが多いので、この語についても意味を正確に把握しないまま使用しているのではないかと疑う)

 ただ、この作品に関していえば、少し不安なのが、主な説明記述は、「知識」ではないという点である。一番説明量として多いのは、作中の「魂」に関する記述であって、これはまったくの創作、SF…サイエンスフィクション…のフィクションである。科学的な常識をもっていれば、この部分が「知識」であるか「創作」であるかは区別がつくはずなのだが、これまでの創作経験のなかには、書かれていることが事実であるかどうかを混同するケースも出会っているため、a_story_report_asouayana氏がこのあたりの区別をきちんとつけているのかどうかは、いささか危ぶまざるを得ない。(もっとも、何かを評するときに具体的に例示する能力に欠けるのは「ひとひらの葉」氏の特徴の一つなので、スペースコロニーやチャレンジャーの事故原因の記述を指しているのかもしれず、なんともいえない)

 また、論評部分全体に、作者と登場人物の区別がついていないのではないか、という感じをもつ。この小説は、二人の主人公の一人称が交代しながら進むという構成をとっている。うち、メインのキャラクターは、大人への反発が先に立つ思春期の少年であり、もともと視野が狭いタイプ、しかもガールフレンドを失ったばかりで、周囲の親や「博士」という人物の感情を感じ取ることを拒絶している。
 作品全体から「視野が狭いな」という印象をもったとすれば、このキャラクターの構築は成功しているといえる。

 なお、a_story_report_asouayana氏に一つ賛意を表しておく。
「小学生には見せたくない麻生新奈」
 私も、このサイトに掲載した作品群は、「ReadMe」の「8」に記しているとおり、小学生には向かないと思う。

文中文字数表示は、casual_idea氏ツール「全角も半角も1文字を1つと数える。」による。すぐれたツールの公開に感謝。

著作権法抜粋

(同一性保持権)
第二十条 著作者は、その著作物及びその題号の同一性を保持する権利を有し、その意に反してこれらの変更、切除その他の改変を受けないものとする。

(複製権)
第二十一条 著作者は、その著作物を複製する権利を専有する。

(引用)
第三十二条 公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。

ウェブ魚拓

(記事内容変更検証のため取得)