一気飲みゲーム暴走、被害者深酔い…京教大集団準強姦　

　京都教育大（京都市）の学生６人が集団準強姦(ごうかん)容疑で逮捕された事件で、当日のコンパの際、一気飲みの速さを競う「ダービーゲーム」が繰り返され、被害者の女子大生（当時１９歳）も、このゲームで一気飲みを何度も強いられていたことが、京都府警の調べでわかった。女子大生は深酔い状態で前後不覚になっていた。逮捕された当初、容疑を認めていた１人が供述を変え、現在は６人全員が否認しているという。

　学生らが主催した卒業生の送別コンパで、２月２５日夜、京都市内の居酒屋４階の大広間に学生約９０人が集まって開かれた。

　参加した学生らによると、席はくじで決められ、飲み放題の瓶ビールが行き渡ると、下級生が４年生につぎに回り、返杯を受けるようになった。

　その後、学年や所属クラブなどのグループごとに、一気飲みをする「ダービーゲーム」がスタート。このグループ内で最下位になった学生は再度、一気飲みをさせられ、会場は盛り上がっていったという。

　捜査関係者によると、女子大生も４年生から返杯を受けたり、ダービーゲームで何度も一気飲みしたりし、約２時間のコンパが終わった時には、正常な判断ができないほど深酔い状態だった。その後、逮捕された６人に、客がおらず、電気の消えていた５階の個室に連れていかれたという。

　コンパに参加した学生の１人は「酒を勧められたら断れない雰囲気があった。飲む量が半端ではないくらい多く、今思えば、何が起きても不思議ではなかった」と話している。

学生コンパで事故トラブル後絶たず

　学生がコンパで過度に飲酒し、事故やトラブルに巻き込まれるケースが後を絶たない。ＮＰＯ法人「アルコール薬物問題全国市民協会」（ＡＳＫ、東京）によると、昨年３月からの１年間で、コンパなどで学生が急性アルコール中毒に陥り、死亡した例が５件あった。

　ＡＳＫの今成知美代表は「集団のコンパでは一気飲みや強要が当たり前のようになっている。学生は飲酒の機会が多い割に、アルコールへの知識が少ない。急激な飲酒が命を危険にさらすだけでなく、（今回の事件のように）周囲への危害につながることを自覚することが大事だ」と話している。