September
16
2008
リーマンの破綻を決断したアメリカ政府当局に拍手をしたいです。流血の日曜日とアメリカメディアは書き立てましたが、確かに非常にきわどい選択であったと思いますし、今後も事態を収拾できる可能性もまだまだ低い。そして今夜はAIGグループの懸念で株価はまだまだ下がるでしょう。しかし、むやみに公的資金を導入しないという決断は、後世にこの危機を乗り切る最も重要な決断だったと語り継がれるのではないでしょうか。
そもそも、世界のGDPの7倍以上に膨れ上がった過剰流動性を収縮させるのが、今回のサブプライムショックなわけで、適正取引量といわれる3倍前後にまで行かぬことにはどうにも収まりが付かないのではないか。そんなものが、日々バンバンと消えて行くわけだから、世界中の金融機関は大騒ぎになって当然。金融恐慌と言えなくもないけれど、これはあくまで金融恐慌なのだろうね。実体経済は、粛々と続くのだ。
だいたい不動産やら企業買収やら、なんでも証券化してオフバランスしてしまった結果が、今回のリーマンの破綻につながっているのだろうし、銀行にしても従来と違って飛び切り資産内容が軽くなっているのではないか?だから、上場以来黒字だったリーマンが四半期決算2度の赤字で倒産するなんて、にわかに信じがたい事態が唐突にやってきてしまうのだよね。企業なんて黒字だったり赤字だったりで、仕方ない部分がある。でも雇用を創設し、経済行為を行うこと自体に大きな意味があるんだよ。資本主義の根幹はそうした地味ではあるけれど非常にスティッフな経済行為が支えているんだ。
その意味で、コツコツといいものを自信を持ってつくり、そして販売するという行為こそが経済なのです。そして、そういうへこたれない経済主体がたくさん残っている日本経済は、このサブプライムショックを余裕で乗り切るでしょう。たとえ世界金融恐慌となっても、影響は小さくはないにしても、実体経済にきちんと根ざすこと、これが大事ですよね。
いままで、バブル崩壊以来20年以上、耐えに耐えてきた日本が、過去の経験を生かして世界経済の牽引役になればいい。はしゃぎすぎた祭りのあとは、きちんとお掃除しないとね。
Posted by 有海啓介 | この記事のURL |