September
03
2008
■ALTIUM VR1000G■■■
[特徴総論]
少ないマイクロATXケースの中でひときわ異彩を放つケース、それがALTIUM VR1000Gです。市場の如何にかかわらず、WiNDyデビュー以来、1度も欠かすことが無かったマイクロATXバリエーションの中でも、最も多機能なモデルであり、初心者からベテランまであらゆる自作PCユーザを対象とし、クライアントレベルのスタンダード仕様からプロユースのハイエンド仕様において、あらゆる条件下で最大のポテンシャルを発揮する基本性能と、エアフロー調節機能(VAIDAS:独立2系統エアフロー)、吸気流量調整機能(可変吸気機能)により仕様に応じた冷却性能を選択可能で、マイクロATXでありながらゲーマーやビデオエンコード、レンダリングを多用するプロユースに余裕で応えます。
その秘密は、他製品を圧倒的に凌駕する最大7基ものHDD搭載性能、そして280ミリのロングサイズビデオカードを搭載可能な、圧倒的な拡張性です。マイクロATXでは容積が少ないため、ケース剛性の点では非常に有利となります。フルアルミ構造1.5ミリシャシーを基本とするシャシー剛性は、ATXモデルと比較して遜色がありません。シャシー剛性、振動吸収性、熱容量そして拡張性を兼ね備えた理想のマイクロATXタワー型ケースがここにあります。
製造は、ハイゲージアルミシャシーを可能にするWiNDyオリジナルのバリエーション生産(多品種少量生産システム)と伝統のハンドワークを匠に組み合わせた手法。他社のアルミケース/スティールケースが素材削減のために薄板化し、金型による量産に偏るのとは一線を画した独自手法です。WiNDyのアルミケースは、工業品でありながらクラフト的手法を用いるため、ハイゲージでのシャシーストラクチャが可能であり、それによって比較できないハイレベルの基本ポテンシャルもつ製品となっています。
[特徴]
■使用素材について
アルミ素材は世界でも最高水準の圧延技術を持つ日本製(古河スカイ製)を指定しています。これは、アルミ組成の均質性により加工時のクラック防止が可能であるとともに、板圧の均質性が精密加工時のバラつきをなくし、またアルマイト処理の色目に多大な影響があるためです。材質は理想的な硬度と熱伝導率を両立したA5052を指定仕様としています。
また、1.5ミリ厚というハイゲージアルミを用いるために、WiNDyのバリエーション生産技術が不可欠です。他社製品の通常加工では、素材費高騰の折、薄板化が急速に進行しており、強度確保のための絞り加工が必須のためプレス機による金型加工が主流を占めます。しかし、金型絞り加工では、1.5ミリハイゲージの加工は困難であり、類似品は非常に限定されているといえます。本機は、そのハイゲージアルミを用いることで、シャシー全体の剛性、熱容量、振動吸収性を飛躍的に向上させるとともに、新たな取り付け手法の採用により、シャシー剛性は類を見ないレベルへと昇華されています。そこに、WiNDy製品の本質的なアイデンティティがあるといっても過言ではありません。
■構造について
新世代フルアルミシャシー構造となった本機は、マイクロATXでも、圧倒的なシャシー剛性を実現しています。同クラスでは最高水準の耐加重性、落下時の変形を防ぐ捻じれ剛性を誇ります。HDD、光学ドライブの搭載は伝統的なビス止めを頑固に採用しています。これは、搭載機器が発する熱をシャシー吸収することが可能であり、ケース内部エアフローにより放熱効果も十分に発揮されます。特にHDDは、熱吸収=耐久性の相関関係が著しく、シャシー冷却は決して無視することの出来ない必須機能といえます。
■デザイン
PCケースのフルアルミ化を実現したのももちろん、WiNDyが世界初(シートメタルベース)。フルアルミである以上、素材の質感を最大限に尊重したソリッドなデザインが特徴となっています。
■冷却性能
シャシー冷却を基本性能とすれば、もうひとつの基本性能は言うまでも無くケース内部エアフロー冷却です。PCケースは単に、「ユーティリティを追求するボックス」であってはなりません。また、「吸気ファンと排気ファンを取り付けさえすればよい」という乱暴な構造は到底理解できないところでしょう。WiNDyでは、常に「どのパーツをどのように冷やすのか」という冷却目的の設定と「パーツ実装時のエアフロー」を考慮して、理論的にフローを解析の上、検証で確認しながら丹念にエアフローを作り出してゆきます。そのプロセスは、すでに10年以上の実験/検証データ、およびケース構造設計経験値が生かされており、一朝一夕の成果ではありません。本機はマイクロATXでありながら、VAIDAS、可変吸気機構、AFAS(オプション)という最新のエアフロー冷却構造が用いられた、最新の空冷機となっています。
VAIDAS : 独立2系統エアフロー機構 前面吸気エアをHDD冷却時から独立した2系統のエアフローに分散し、CPU/電源、およびPCIを独立して冷却するという機構。ケース内部のエアフローを独立させることでパーツ搭載時の乱流化を防止するとともに、パーツの性能によってそれぞれに強化できるという理想的なエアフローが生成可能です。
可変吸気機構 : 前面吸気孔の吸気面積を可変することにより、パーツ搭載時、PC稼動時の条件に応じた吸気流量のマニュアル調整が可能になります。またコアな自作ユーザにとって、マシンチューニングを行ううえで非常に重要な役割を果たす機構でもあります。排気流量を増大したときの吸気流量の確保、静音マシン製作のためのノイズカット等、楽しめる機構でもあります。
AFRAS : エアフロー加速機構 内部エアフローを加速して効果的なエアフローを実現するというオリジナル技術です。特にパーツ実装時の効果的なエアフローの確保は、想像以上に困難な課題。それを決定的に解決するのがAFASと言えるでしょう。またこの機構によって最高レベルのHDD冷却性能が得られたことも特筆すべきでしょう。
■静音ポテンシャル
「世界一の静音ケース」というキャッチフレーズほど陳腐なものはありません。たとえどのようなケースでも無音に限りなく近いケースファンを搭載すれば実現できること。ナンセンス以外の何者でもありません。静音化で問題なのは「その仕様で十分な冷却性能を確保した上で、静音化対応できること」なのであり、ケースは常にそのポテンシャルを確保していなくてはなりません。ケースファンノイズの問題をさておけば、静音ポテンシャルの高いケースとは、振動吸収性/振動伝達防止性ノイズカットのための密閉性こそが重要なファクターとなります。本機は、スティールケースとしても異例のハイゲージシャシー/高精度加工技術による密閉性能/考え抜かれた各構成部品の取り付け方法等により、ポテンシャル確保に万全を期しています。特に質量が振動減衰効果に多大な影響があることに異論はありません。
■拡張性
本機は他に類を見ない圧倒的な拡張性能を誇る類まれなフルアルミマイクロATXケースと言えるでしょう。光学ドライブ(または5インチ機器)の搭載用5インチオープンベイを2基、3.5インチオープンベイを1基備えるとともに、圧巻はマイクロATXでありながら最大7基ものHDD搭載性能(3.5インチベイを含む)と最大280ミリのロングサイズビデオカード搭載性能!RAID仕様でも十分な搭載数を確保するとともに、最新のビデオカードを余裕で搭載するという強力無比な拡張性が自慢です。
■仕上世界で始めてWiNDyが採用したPCケース仕上げ、アルマイト。幾多の経験を経て現在のWiNDyアルマイトは、アルミ素材特性を生かしたソリッド感重視の仕様となっています。また、お約束の高品位塗装は、そのすべてが職人のハンドワークによる手塗り。2コートのハイクオリティは、メタリック素材の含有比率、乾燥時間、塗膜厚、光沢等すべてがオリジナルです。双方ともに世界最高水準の品質を誇ると言っても過言ではありません。
Posted by 有海啓介 | この記事のURL |