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【格闘技】石井慧、急転直下の「戦極」デビュー2009年6月2日 紙面から
突然の進路変更だ。スーツ姿で会見に臨んだ石井は「石井慧の結婚会見に来ていただきありがとうございます」と、会見の冒頭で笑いを誘うと、続けて「相手は日本人で“戦極”という相手と結婚します」と公表。戦極デビューを宣言した。 昨年11月、柔道家からプロ転向を表明したときは、国内の2大団体「DREAM」「戦極」への参戦を拒否。米国でのデビューにこだわりを見せていた。交渉を進めながら米国やブラジルで海外武者修行も敢行。今秋のデビュー戦に向けてスキルアップを図っていた。 しかし「いろいろな人に相談したが『初戦からUFCに出ろ』という人がいなかった」。さらには親交がある横綱朝青龍の「家族に試合を見せてやれ。それが恩返しにもなる」というアドバイスや、多くのファンから「日本で試合が見たい」という声が届き、国内デビューへ気持ちが傾いた。エメリヤーエンコ・ヒョードルへの挑戦権を獲得したジョシュ・バーネットが戦極に出場していたことも戦極デビューを決めた一つだ。 いまのところデビュー戦の時期は決まっていない。だが石井は「いつでもOKです。言われたらやります」と、年内中のデビューに意欲的。戦極には石井と同じ五輪柔道の金メダリスト吉田秀彦が参戦しているが「対戦相手を選ぶ立場にありません。言われた相手とやります」とメダリスト対決も辞さない構えを見せた。WVR社の国保尊弘代表も「非常に興味深いカード。可能性はある」と興味津々だ。 今後はオランダにいるヒョードルと一緒に練習をする予定で、6月末にオランダに出発する。「日本で生まれ、日本で育った僕は、日本の格闘技界を盛り上げていく」。格闘家石井に、もう、迷いはない。 (石川晴信)
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