日本のアニメソング歌手に熱狂する韓国のファンたち
「JAM Project」韓国公演
5月16日午後5時30分、ソウル市広津区広壮洞のコンサートホール「メロンアックス」の前では、20代の女性が日本語で書かれたハート形のプラカードを掲げていた。それには「遠藤さん、結婚しよう」と書かれていた。この女性はこの日、ここで公演を行う日本のバンド「JAM Project」のファンで、「遠藤さん」とはこのバンドのメンバー、遠藤正明氏(42)のことだ。
「JAM Project」はアニメ映画の主題歌を専門に手掛けているロックバンドだ。アニメ映画『マジンガーZ』や『グレートマジンガー』の主題歌を歌った、アニメソング歌手の水木一郎氏(61)が中心となって2000年に結成された。韓国でも高い人気を誇るアニメ映画『ドラゴンボールZ』『勇者王ガオガイガー』や、テレビアニメ『ONE PIECE』の主題歌もこのバンドが手掛けた。
アニメ映画の主題歌を歌うバンドだからといって、コンサートに足を運ぶファンたちが子どもばかりだと思ったら大間違いだ。今回「JAM Project」の韓国公演を企画した会社によると、足を運んだ観客たちの大部分が20代(70%)、30代(18%)だったという。なお、40代以上は7%、10代は5%だった。
梨花女子大社会学科のチェ・セッビョル教授は「今の20-30代は、1998年の日本文化開放以降、日本の大衆文化を積極的に受け入れて育ってきた世代だ。日本文化開放によって、日本や日本文化に対する人々の拒否感が弱まったことも、20-30代の人たちが自分の好みを自由に表現できるようになった要因だ」と話している。
不況にもかかわらず、約1400席のうち1100席ほどのチケットが売れ、高いチケットから売り切れとなった。ステージに最も近いスタンディング・エリアのR席(8万ウォン=約6200円)が約500席用意されたが、わずか二日間で売り切れた。企画会社側は「マニアが多いため、1階席のチケットは完売だった」と話している。
コンサートの間ずっと、観客たちは蛍光棒を振りながらライブ演奏に酔いしれた。リズムに合わせて飛び跳ねたかと思えば、休む間もなく一緒に日本語で歌った。「JAM Project」のメンバーの奧井雅美氏(41)は「日本のコンサートでも、ファンたちがリフレーンの場面で一緒に歌うことはあるが、すべての歌を最初から最後まで一緒に歌うのは韓国のファンたちだけだ」と話した。
会場で会った自営業のオ・スンテクさん(32)は「普段から好んで聴いている歌だが、コンサートの数日前からはMP3で“復習”もした」と話した。また、大学生のキム・ブヨンさん(20)は「小学校のときから10年近くにわたってゲームやアニメに親しんできたが、実際にコンサートに行けることになり、ワクワクしていた」と話した。
2時間30分の予定だったコンサートは、2回のアンコールのため、3時間まで延長された。最後にメンバーたちはぎこちない韓国語で「カムサハムニダ(ありがとうございます)」と叫んでステージを降りた。コンサート終了後、席を立った会社員のパクさん(32)は「会社ではアニメ映画のファンだということは隠しているが、ここへ来ると同年代のファンたちに会えるため、ストレスも解消できる。今やアニメが好きな30代も増えた。上司たちも“いい年してアニメなんて”という偏見を捨ててくれればと思う」と話した。
イ・インムク記者
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